4月3日(水)

朝イチ、忙しい出かけ間際にムスメが本当にくだらないこだわりを見せて

(私の靴の中敷をどうしても自分の靴の中に入れて履きたいと譲らず

 靴が履けなくて癇癪を起こしている)

爆発しながら抱えて連れ出す。

通勤の人々が行き交う中、泣く子供と大きな荷物と

落書きだらけの裸の人形を抱え、

「ママじゃないママだったら良かったのにね!」

などと言葉を投げつけながら

鬼の顔で歩く女の姿は100%ホラー。通報寸前。

あんな小さな子に、他に逃げ場も救いもない子に、

一番きつい声と顔と言葉を投げてしまう自分が嫌で嫌で、

途中のベンチで、娘を抱きしめて休憩。

私も娘も、ここから逃げることができない。

ママ怒りん坊でごめんね。と言ったら、

「ママおこりんぼの鬼〜」とクスクス笑うムスメ。

優しくておかしくて嬉しくて泣き笑い。涙が止まらない。

「ママとリオちゃんがいい〜」と抱きしめてくれる。

私のエキセントリックさをこの子は溶かしてくれる。

とはいえ、さあ歩いてくれるかと思ったら、歩けない〜と

結局残りの道のりを13キロの子を抱えたまま歩くのだが。

保育園バッグに人形に、数冊の本とPCと

500ミリのペットボトル(捨てたい)が入ったバッグを抱えながら。

 

午前中は取材前の交渉、取材後の調整、今日の取材の確認、

そして書評を書く。

お昼から銀座で撮影。後藤久美子さん。美しい。

顔も体も綺麗だけど、なんといっても声が素敵。

後藤さんは、言うのも申し訳ないというか恥ずかしいけど、

年も近いし、骨格診断によると私が憧れてもいいベクトルの人らしいので

臆せず憧れていこうかと思う。

希少で存在感に溢れるジュエリーと、それを支える美女と美しいドレス。

ああ、ファッションってアートピースだなぁと、

そして人もアートピースたりえるんだなぁと、

美しいものを見てしみじみ思った。

 

その後ようやく書評を仕上げて、八丁堀へ展示会に。

以前私が登壇した講座にきてくださった若いスタイリストの方、

とても独創的でエネルギッシュで明るくて、

見ていてもワクワクするような行動をされている。

彼女が携わっているブランドがまた心意気のあるデザインで素敵。

私自身どんどん着るものが無難になっていって、

ここ数年特に服に関して、半透明の存在になっていたけれど、

構築的なデザインの美しさを、昼の撮影と重ね合わせて改めて感じた。

365日服を着るのだ。どうせなら少しでも、

見る人の目に幸せをもたらすように着たい。

 

展示会を出てメールを見ると、

あちこちで時限爆弾みたいなトラブル発生中。

長い日比谷線旅行の中でメールをたくさん返して、

事務所に戻って地雷撤収作業をもりもり行なって、

ちょい遅刻で保育園到着。

お迎えに行くと娘は朝のことを忘れたみたいに明るくて救われた。

朝ごめんね、と言うと、

「ママ、リオちゃんがお人形持ってお靴履けないってして

ぷんぷん怒ってたよねー」と、ちゃんと覚えてる。

私も彼女みたいに、赦すスキルを磨きたい。マリア様みたいだ。