私は、退院して暫くの間実家にいた。半月くらいだろうか。10月10日に結婚式を挙げると言う話で主人と私の家族は結婚式場の事でもめた。何しろ、状態が状態だっただけに無理かと思われたが、退院して元気になったから「せめて式くらいは挙げましょう」と言う話になったのだ。ところが、めでたい話なのに、主人の母は何かと注文をつける。「元服でやりましょう」と言ってみたり、「引き出物は別々に決めましょう」、「うちは会費制でやりますから」などと言う。主人に父はいない。いたらここまで勝手な話はさせないと思う。しかし、うちでは相手の注文を聞くような度量は持ち合わせていなかった。結婚式場も決まり、ある日ドレスの試着をしにいった。主人の母は、どう見ても古臭い、誰も着ないようなドレスを押し付ける。私はそれを振り切り、自分の思い通りのドレスを選んだ。白いドレスに関しては何も言わなかったが、色物のドレスに関しては「それ、派手すぎる」と主人の母は言った。「でも、他にサイズないですから」と私はどこまでも押し通す。一生に一度だし、写真に残るのでどうしてもそれを着たかった。そして5ヶ月になったお腹は少し重たく感じた。ドレスがはまるのだろうか。そればかり考えていた。今思えばそれが幸せだったのかもしれない。式場の人は「今できちゃった婚が多いので大丈夫ですよ」と言う。それで少し安心した。どんどん話が進む。当たり前の事だが、退院して決める事が多すぎる。かつらの大きさなんてのも頭が小さすぎて特注だと言う。それでも当日ずり落ちたりしないかどうか心配だった。そしてドレスを着たときの髪型やエステ。エステは式前一週間から始めた。効果あるのかなーと思ったが、だるい体を引きずりながら通った。確かに肌がつるつるになるような気がする。化粧ののりをよくするためにやるのだが、気分的に違う。実感というものが沸いてくる。当日まで一週間。ひたすら通い続けながら、たんすなどの調度品を見に行って揃えたりした。


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