とぅるー はぴねす  (40ページ) | 緋鷹由理 

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たぬこと熊太の徒然日記を主に掲載しています。

闇の中  5

 

行こう、彰

お、おう

背中に刺さる視線を無視しながら、僕は急ぎ足で歩いた。

その後を彰が慌てて追いかけてくる。

彰はなにも言わずに僕の隣を歩いていた。

七星のことを追求してこないことが、彼なりの気遣いなのだろう。

それが今はうれしい。

ちょっと小腹がすいたね

よっしゃ。いつものとこでも行くか

うん

僕らは学校からは少し遠いけど、お互いの家から程近い位置にある有名ハンバーガーのチェーン店に入った。

僕はハンバーガーとオレンジジュースを、彰はチーズバーガー三つとコーラを注文して店の一角に腰を落ち着けた。

こうやって彰と道草するのもずいぶんと久しぶりに感じられる。

最近までは七星を家に送ってはそのまま真っ直ぐ家に帰るのが日常だったから。

僕は包装紙を剥いてハンバーガーをひとくち頬張った。

ずいぶんと食べてなかったから、味がよくわからなかった。

これってこんな味だったっけ? 思わず首を傾げてしまう。

彰を見ると、彼はもうすでにひとつを食べ終えてふたつめのチーズバーガーを食べているところだった。

相変わらず食べるのが早い。

僕がハンバーガーを半分食べる頃には、彼はみっつあったバーガーをすべて平らげてしまった。

 

〔つづく〕 

                                                             

登場人物

水無瀬弘海   主人公(みなせひろみ) 

高群  七星   主人公と同じ部活の後輩

鈴木  彰    ひたすら筋トレを誇張する、主人公の友人


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草薙香(くさなぎかおり)  の小説


編集掲載・緋鷹由理