とぅるー はぴねす  (35ページ) | 緋鷹由理 

緋鷹由理 

たぬこと熊太の徒然日記を主に掲載しています。

そう自分に言い聞かせても、ただただ胸の奥が虚しいだけだ。

帰ろう

どれくらいそこに佇んでいただろうか。

誰に言うともなく呟いて、足を動かした。

靴を履き替え、昇降口を出てはじめて、僕は雨が降っていることに気がついた。

視界が煙る程の激しい雨だ。

いつから降っていたんだろう。全然気づかなかった。

傘、持ってきてないのになぁ

梅雨なんだから折りたたみ傘のひとつくらい鞄に入れておけばよかった。

自然とため息が漏れる。

いつまでもここにいても仕方ない。

雨はしばらく止みそうもないし、走って帰るしかないだろう。

僕は覚悟を決めて駆け出した。

髪も服も、すぐに雨に濡れてぐっしょりと重くなった。

身体の芯までが凍ったように冷えていく。

でも今は、頬を流れる雨がありがたかった。

 

〔つづく〕 

                                                             

登場人物

水無瀬弘海   主人公(みなせひろみ) 

高群  七星   主人公と同じ部活の後輩

鈴木  彰    ひたすら筋トレを誇張する、主人公の友人


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草薙香(くさなぎかおり)  の小説


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