とぅるー はぴねす  (26ページ) | 緋鷹由理 

緋鷹由理 

たぬこと熊太の徒然日記を主に掲載しています。

五、嘘つきの罪悪  1

 

今日は梅雨晴れ。

久々の太陽光に、どことなく気分がいい。

よっ。今日もヒロは彼女と昼飯か?

彰の言葉はどこか皮肉気だが、表情はいたって爽やかだ。

最初は寂しそうにしていた彼も、今ではもう慣れたのかこうやって軽口を言ってくる。

それはいいのだが、彰の態度にときどき、いかにも友人に彼女ができたのを祝福していますみたいな雰囲気が混じっているのがつらかった。

僕は親友に大きな嘘をついているんだ。

彼はこんなにも僕のことを信用してくれているのに。

悪い

いいって。今が一番幸せな時期なんじゃないのか? ま、精一杯彼女といちゃつきな

……

 僕はただ苦笑するしかなかった。僕は今、幸せだと言えるのだろうか? 彼女との偽りの関係が幸せだなんて、それこそ欺瞞だろう。

高群さん? だったっけ? 彼女とはどうだ? ちゃんとうまくいってるのか?

うん。まぁ、たぶん

なんだよ。その歯切れの悪い返事は。喧嘩でもしてるのか?

いや、そんなことはないよ

ふぅん

彰は首を傾げながら右手で顎を撫でている。

傍から見ているとマッチョな『考える人』みたいに見える。

まぁ、なにか困ったことがあったら俺に言えよ。俺はバカだけど悩みや愚痴くらいは聞いてやれるからよ

……うん。ありがとう

彼の優しさが、心に痛かった。

 

〔つづく〕 

                                                             

登場人物

水無瀬弘海   主人公(みなせひろみ) 

高群  七星   主人公と同じ部活の後輩

鈴木  彰    ひたすら筋トレを誇張する、主人公の友人


 *ご意見・ご感想お聞かせください。コメントお待ちしています。


    少しでも面白かったら、ポチッとお願いします。

      ↓

 


人気ブログランキングへ  


*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:


草薙香(くさなぎかおり)  の小説


編集掲載・緋鷹由理