とぅるー はぴねす  (24ページ) | 緋鷹由理 

緋鷹由理 

たぬこと熊太の徒然日記を主に掲載しています。

変わっていくもの 4

 

最近、七星の表情や声色に感情の色が窺えるようになってきた。

彼女は感情の起伏が少ないのではなくて、感情の表現が下手なだけなのだとわかってきた。

先輩

なに、七星

僕が名前を呼ぶと彼女は少し恥ずかしそうに身じろぎした。

私、水無瀬先輩の下の名前を知りません

あ、そうだったんだ

知らなかったんだ、僕の名前。言ってなかったっけ? ちょっとショックだった。

弘海。弘法大師の「弘」に、空海の「海」って書いて弘海

なるほど。とても壮大でいい名前ですね

ありがとう。そう言ってもらえたのははじめてだよ

そうなんですか? 大海のようにとても度量が大きいという、すごく素敵な名前だと思いますけど

真っ直ぐ僕の目を見ながらそう言ってくれる。

なんていい子なんだろう。

七星が本当の彼女だったらいいな、とそのときはじめて思った。

ヒロミって名前の響きが女の子っぽいって、昔はよくからかわれてたよ。その度に彰が、僕の友人がかばってくれたけど。それでそいつが僕のことをヒロって呼ぶようになったんだ。そうしたら他の皆も弘海じゃなくて、ヒロって呼ぶようになって。そうしたら僕のことをからかう人間はいなくなったよ

いい友人ですね

あぁ。本人には言わないけど、友だち想いのとてもいい奴だよ。自慢の親友だ

羨ましいと思います。そういう友人がいるということは

 

〔つづく〕 

                                                             

登場人物

水無瀬弘海   主人公(みなせひろみ) 

高群  七星   主人公と同じ部活の後輩

鈴木  彰    ひたすら筋トレを誇張する、主人公の友人



 *ご意見・ご感想お聞かせください。コメントお待ちしています。


    少しでも面白かったら、ポチッとお願いします。

      ↓

 


人気ブログランキングへ  


*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:


草薙香(くさなぎかおり)  の小説


編集掲載・緋鷹由理