とぅるー はぴねす  (22ページ) | 緋鷹由理 

緋鷹由理 

たぬこと熊太の徒然日記を主に掲載しています。

変わっていくもの 2

 

六月も終盤に差しかかってきた。

それでもまだ梅雨は終わる気配を見せない。

今日もまた篠突くような雨が降っていた。

気の滅入る陰雨だ。

僕はぼぅっと窓の外を眺めていた。

特になにがあるわけでもない。

ただ鬱陶しい雨の景色が見えるだけだ。

昼休み。僕はもう高群さんの作ってくれた弁当を食べ終わっていた。

彼女はまだちまちまとお昼を食べている。

暇を持て余していたとき、高群さんが声を上げた。

あっ

どうかしたの?

本?

が、どうかしたのか。本ならここにたくさんあるけど。

先輩から借りた『銀河鉄道の夜』です。そう言えばまだ読んでいなかったと思いまして

あぁ、あれか

そう言えば貸してたっけか。貸したこと自体忘れていたよ、僕は。

やっぱり、そろそろ返した方がいいでしょうか?

いや、いいよ。別にすぐに返してもらう必要もないし。高群さんのペースで読み終えてからで十分だよ

そう言うとなぜか彼女は細い眉を歪めた。

どんな形であれ、彼女が表情を変えるのは珍しい。

 

〔つづく〕 

                                                             

登場人物

水無瀬弘海   主人公(みなせひろみ) 

高群  七星   主人公と同じ部活の後輩

鈴木  彰    ひたすら筋トレを誇張する、主人公の友人



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草薙香(くさなぎかおり)  の小説


編集掲載・緋鷹由理