同じ本の感想文でも…… | 「国語教室 Hey Ho」安藤友里のブログ

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「国語教室 Hey Ho」代表の安藤が、思ったこと・考えたことを綴ります。「文章力をつける」教室を開いているのだから、自分も文章を鍛えないと、と思って書いてます。

国語教室 Hey Ho 「読書感想文講座」の報告です。

 


先日、枚方T-SITEで「小学生のための読書感想文講座」を行いました。

まったく知り合いのいない土地で

何人参加してくれるか不安だったんだけど、

1年生から5年生まで、幅広く来てくれました。

 

中でも印象的だったのは

5年生の女の子2人が、同じ本を選んだのに

主題が全く異なっていたことです。

2人が選んだのは『こんぴら狗』でした。

(以下ネタバレ含みます。)

 

江戸時代、自分で「金毘羅参り」ができない人が

犬に代わりにお参りをさせるという慣習があったそうです。

江戸から遠く四国の金毘羅さんまで、

お参りに行く知り合いの人に犬を託したり、

首にぶらさげた、その旨を書いた札に気付いて

旅人が気付いて都合のよい所まで連れて行ってくれたり……

 

主人公のムツキという犬も

飼い主の女の子・弥生の病気が治るように、お参りに出発します。

往路では一緒に出発した

ご近所のおじいさんが亡くなってしまうし、

やっと金毘羅山までたどり着いても

また帰りが大変で(x_x;)

ハラハラすることが次々起こりますが、

何とかムツキは大役を果たして

無事江戸に帰ってきます。

そして、弥生の病気も

ムツキが着くころにはすっかり治癒していたというお話です。

 


大人の感覚からすると

犬のムツキがよく頑張ったなぁ、とか

周りの助けがあってこそお参りに行けたんだなぁ、とか。

型にはまった感想になってしまうのだけど。

 

講座に来ていた子の一人は、

決めたことをやり遂げるって素晴らしいことだなぁ、

というのがメインテーマでした。

自分がムツキだったら、

同行のおじいさんが亡くなった時点で

自分も旅をやめて家に帰るだろうから、とのこと。

 

そしてもう一人は

弥生とムツキの絆がとても強いこと

いちばん印象に残ったという感想でした。

絆が強いからこそ

ムツキは行って来れたんだし、

帰ってきた時に二人が抱き合うシーンが感動的だったから、

と話してくれました。

 

それぞれ、その部分を中心に

全く違う視点からの素敵な感想文が書けました。

 

あらすじを追った、型にはまった感想ではなく

その子の琴線に触れた部分をど真ん中に置いた感想文。

ちょっとしたアドバイスと書く前の指導で、それが可能になります。

せっかく書くなら、ぜひそんな感想文を書いてほしいです。

 

個人レッスンはまだ間に合いますよ^^

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