映画プログレ桜田淳子

映画プログレ桜田淳子

タイトルのテーマを中心に、好きなものを書き綴ります

オリジナルが持っている設定がユニークなだけに面白く観られる。限定されたシチュエーションによる密室劇を俳優陣の力量が支えている。

 

ただ、閉じ込められた者たちが抱えているトラウマとか情とかの要素を厚くする日本映画ならではの特質を悪いとは思わないが、極限状況の中でそれらがもっとジワジワと炙り出てくるようにするか、あるいは、もうちょっと乾いた方向にするか、いずれにせよ本作のそれはやや中途半端。

 

凄いテンポと思っていたらそういうことだったのね。

 

始まりは「これぞコスチューム・プレイ」と言うべき重厚な中世の史劇。だと思ってたら、次第に様々な様相が加わってゆき、重厚さはそのままに、実に多面的なドラマへと展開してゆく。多様な人間性が抉り出されてゆく。さすが巨匠監督。

 

書きたいことはいっぱいあるが、ネタバレになるのでこれ以上書けない。とにかく素晴らしい。

 

いやあ待ってました。

 

スケール感、色、構図、音、音楽、衣装、メカ、ランドスケープ。まさに「DUNE」はこうでなくっちゃ、という作品。久々に「4K画質で手元に置いておきたい(円盤買いたい)」と思った。これで「興行成績不振につき続編の制作断念」なんてことになったら怒るよ、ホント。

 

それにしても、何で我々はこうも中世的封建制と貴種漂流譚が好きなのだろう。「スターウォーズ」も「ゲーム・オブ・スローンズ」も、まんまそうだもんね。ただ、そこにアラビックなエキゾチック要素がそれこそスパイスのごとく加味されている点が「DUNE」の抜きんでているところ。そして、それがダイバーシティと合致して、まさに今作るべき映像作品になっている。

 

とにかく、絶賛続編希望につき、ヒット祈願!

 

30年近いルバング島での小野田さんの人生は、私ごときの想像など遥かに超える。だから知りたい。彼をして密林生活を継続せしめたものは何だったのか。上官の命令? 軍人の心得? 裁かれることへの恐怖心? 彼はどんな人物だったのか?英雄? 犠牲者? 殺戮者? 豪傑? 気弱? 精神力の強い人? 猜疑心に富んだ人? 密林での生活はどのようなものだったのか? 共に暮らした仲間との関係は?

 

そんな「?」がいっぱいあるからこそ、本作を観ないわけにはいかなかった。そして作品はたいへん満足のいく内容だった。なるほど、こんな出来事があったのか。こんな風に生き抜いてきたのか。いくつかの「?」は解けた気がした。

 

だが、一方で小野田さんの内面についての「?」は、一向に解答を得られなかった。いや、むしろ「?」はいよいよ深まった。何故、彼は出て来なかったのか? 彼は何を思いどんな気持ちで生きてきたのか? 日本の敗戦をいつ知ったのか? モヤモヤは増す一方だった。

 

もちろん、本作は「事実をベースにしたフィクション」なので、描かれている小野田さんが実像とイコールであるハズがない。そうである必要も無い。ただ、見終わって「?」が深まったということは、本作に描かれている小野田さん像が、私にとってはどこか腑に落ちなかったということなのかもしれない。

 

小野田さんが日本に帰ってきた当時、子どもながらに印象深かったのは、口角に常に泡をためているその口元だった。うまく表現できないが、当時私が持っていた軍人のイメージからは遠かった。一方で、よく覚えているのは、記者会見か何かのニュース映像だ。射殺された小塚金七さんのことを記者が質問したとき、それまでは静かに丁寧に質問に答えていた小野田さんが、語気を強めて怒りを露わにした。少なくとも私にはそう見えた。「この人は怖い」そう思った。

 

本作でも「怖い」小野田さんは描かれている。だが、私が勝手にイメージしてきた小野田さんは、それとは別種の怖さを持った、もっと複雑に入り組んだ底知れない人だ。鑑賞後にモヤモヤが増したのは、このギャップが原因かもしれない。

 

とはいえ、冒頭に書いたように、30年の密林生活など、とうてい想像の及ぶ範囲では無い。そこには色々な出来事があっただけでなく、様々な思考があり性格があり感情があり、それらは複雑に入り組んでいたことだろう。そうなのだ。本作の制作者が感じ取った人物像など、そして、私が感じる様々な「?」など、一切合切は小野田さんの中に楽勝で内包されていたに違いない。

 

ダニエル・クレイグのボンドは大好きだし、本作も面白い。何より、連綿と続いてきただけに一時代前のコンテンツっぽい空気を醸し出していた「007シリーズ」を、「ミッション・インポッシブル」や「ジェイソン・ボーン」ばりに現代にアップデートされたスパイものに再生させた功績は計り知れないと思う。

 

ただ、それでも、(必ずしも公開順ではないものの)第1作「殺しの番号」以下全作を見ている者(つまり私)にしてみれば、ボンドの女性関係には“生涯をかけた恋”は感じない。どうしても「この瞬間は君だけを愛しているんだ」的な刹那的な火遊びに思えてしまう。

 

クレイグ・ボンドでは必ずしもそんなことは無かったし、前作および本作のマドレーヌ(レア・セドゥ)との関係もそんな浮ついたモノじゃ無いことはわかっている。けれど、長年染みついた思い込みとは怖ろしいもので、どんなに“生涯を掛けた恋”を演じられても、“遊び”にしか見えなくなってしまうのだ。

 

これは、ダニエル・クレイグのせいでも、脚本家のせいでも、監督のせいでもない。ショーン・コネリーからピアース・ブロスナンまでの5代20作を全部見てしまっている私の脳味噌のせい。だから、このレビューは私だけの特異なものかも。ちゃんと面白い作品です。

 

テーマはとことん重い。けど、震災の避難所で知り合って、肩寄せ合って生きた3人だったのにという設定に感動ポイントがギッシリ。泣いた。まあ、時折、「この人、こんなこと言っちゃうの?」的なセリフとかがあり、ちょこっとつまづいたりはするが、大過なし。

 

「死霊館ユニバース」第8作。だそうだが、そんなユニバースがあったのか。「ダーク・ユニバース」は1作で頓挫したし、「モンスター・ヴァース」も今後はよくわからない。そんな中で着々と本数を伸ばしていたとは立派。いつの日か、こういう怖ろしげなものたちがアベンジャーズのように一堂に会するのかと思うと、心なしか楽しみではある。

 

よくできたグランドホテル形式の作品。ただ、2人の関係性が深化しちゃったぶん、ケラケラ笑えるポイントは前作より減ったかも。出がらし感も否めない。

 

それにしても、全体に漂うクラシカルな感じは何だろう。ああいうゴージャスな感じ、誤解を恐れずに言えば、キラキラと輝いていた頃の日本の雰囲気に、みんな憧れてるのかな。

 

一介のビジネスマンがMI6にスカウトされスパイに。ソ連の最高幹部から渡された情報を密かに持ち出しキューバ危機を救う。

 

という実話に基づいた設定でつかみはバッチリ。あとは面白いストーリーがあればいい。

 

とはいえ、世の中にそうそう超ド級の感動譚など転がっていない。従ってそこはフィクションが担う。ネタバレになるので詳述を避けるが、そのフィクショナイズ(たぶんあそこはフィクションだと思うのだけれど)がバッチリ決まっている。で、感動する。

 

つまり、他の多くの作品と同様、実話ベースとはいえそれを感動作に仕立てるにはフィクショナイズが必要不可欠だった(と思われる)作品。そういうことを決してやってはいけなかった(そして実際にやっていない)「MINAMATA ーミナマター」とは真逆の based on real。