厳密な定義では、バナナは木になるのではない。

木は樹皮の内側に形成層という層があり、横方向にも成長し

ていくものを言う。季節によって成長の度合いが異なれば年

輪ができる。

バナナの木のように見える部分には形成層は無い。幹のよう

に見える部分は葉が重なったもの。偽茎などとよばれ、柔ら

かい。

 

また、農林水産省の定義では、概ね2年以上栽培する植物の

果実が食用に供されるものを果樹としている。バナナは成長

して実を付けると、伐採されるか枯れてしまう。2度と実を

結ぶことがない。このため、前記の定義に従うと果物ではな

く野菜となる。

 

栽培中のバナナは、バナナの実の房の反対側に花を咲かせる。

食用の部分は本来なら種ができる部分。しかしながら、日本

で広く流通しているバナナには種が無い。

これは、この品種が染色体を3セット持つ3倍体であるため。

ほとんどの動植物は2倍体であり、雌雄から1セットずつ受

け継いで繁殖する。3倍体だとこれがうまくいかずに種がで

きない。

種なしスイカも3倍体であるために種ができないが、種なし

スイカの場合は、人工的に4倍体の品種と2倍体の品種をか

け合わせることで3倍体を作っている。

バナナの場合は、突然変異により3倍体の品種が生まれたと

いわれている。

 

種はないが、地中にある茎や根から新たな偽茎が伸びること

で繁殖することができる。