5-3 迫るピンチ 3 | 夢、成る瞬間

夢、成る瞬間

ダグラス・コマエ物語

「えっ、そうなのか」
 金銭関係はモニカに任せっぱなしで、ぼくは財布の中身を把握していなかった。
 すでに数か月ソロモンに滞在したあとだったが、何事もなければ日本まで帰るぐらいの余裕はあった。
 が、不測の事態に思わぬ出費がかさみ、あと二日で財布が底をつくというのだった。

 またしても決断を迫られた。
(いったんアダコアに戻るか……。それとももう少しねばってみるか……)
 おおいに悩んだ。
「ちょっと外の空気を吸ってくるよ」
 ふらふらと部屋を出て、そのまま街を散歩することにした。

メンダナ・ホテルにて途方に暮れているぼくの表情(ソロモン諸島ホニアラ 2000年)
 

------前頁----目次----次頁--