「えっ、そうなのか」
金銭関係はモニカに任せっぱなしで、ぼくは財布の中身を把握していなかった。
すでに数か月ソロモンに滞在したあとだったが、何事もなければ日本まで帰るぐらいの余裕はあった。
が、不測の事態に思わぬ出費がかさみ、あと二日で財布が底をつくというのだった。
またしても決断を迫られた。
(いったんアダコアに戻るか……。それとももう少しねばってみるか……)
おおいに悩んだ。
「ちょっと外の空気を吸ってくるよ」
ふらふらと部屋を出て、そのまま街を散歩することにした。
メンダナ・ホテルにて途方に暮れているぼくの表情(ソロモン諸島ホニアラ 2000年)