「マミィ・オルータ、バイバイ……」
アミが急に泣きそうになった。
「バイバ――イ」
エミリとモニカも手を振った。
ボートはゆっくりとドルフィン・センターを離れていった。
風受ける船旅は快適だったが、それに反してみな無言を守り、一種の緊張したムードが船内を支配した。本当に日本まで帰られるだろうか――みなそれが心配だった。
空港に着くとまず国内便の有無を尋ねると、ちゃんと飛んでいることが分かった。
国際線の方はまだ閉鎖されているようだった。最終的にどうなるかホニアラまで行ってみないと分からないとのことだった。
ここでまた決断を迫られた。
考えた末に国際線の運航再開にかけてみることにした。
■ マップ 「クーデター勃発」
黒猫と少し不安げな表情でぼくらを見送るオルータ(マライタ州アダコア 2000年)