2-2 運命の出会い 1 | 夢、成る瞬間

夢、成る瞬間

ダグラス・コマエ物語

 男は小用でホニアラに来ていた。道端にぼうっと座っているぼくを見かけて、なんとなく気になり声をかけたのだという。

 ソロモンに来た目的を尋ねられたので、ぼくはこれまでのいきさつやドルフィンスイムのことについて語った。
「おお、それは興味深い。もしおまえさんさえ良ければ、わしの村に来ないかい。そして一緒にドルフィンを探しにゆこう」
 ぼくの顔につばを飛ばしながら、男はまくし立てた。
 初対面なのにいきなりこんなことを言うこのおっさんは何者なのだと、ぼくはすっかり返答に困ってしまった。
(うーん……)
 と心の中でうなった。

 悪い人には見えなかったし、ひょっとするとこれが次に取るべきステップなのだろうか。

悪い人には見えなかったが……(ソロモン諸島ホニアラ 1994年)
 

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