バラの成長と衰微では、ルドルフ。シュタイナーの「いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか」の「準備」のところを引用させてもらいました。

 

シュタイナーは地球(宇宙といってもいいかもしれませんが)の進化の段階として、

土星紀、太陽紀、月紀、地球紀という段階を説明しているのですが、その月紀における地球には、まだ鉱物が存在していませんでした。

 

今日、私たちの周囲に存在する鉱物は月紀にはまだ存在していませんでした。

岩石、耕土、沃土などはまだ存在しませんでした。最も低次の領域は植物と鉱物の中間に位置しました。月紀の全実質はこの領域から成り立っていました。月の表面は今日の泥炭地に似ていて、そこに植物が存在し、一種の植物泥が形成されていました。月紀の存在は、どろどろした植物鉱物のまわりを行き来していました。月進化紀のある時期はこのような状態でした。この状態は野菜の煮物に譬えることができます。今日のような岩石は存在しませんでした。月紀に存在した最も高次のものは樹木の木質や樹皮を形成する質料と比較できます。

月紀における山は木質、木化した植物泥の塊からできていました。月紀の山は一種の古くなって乾燥した植物です。この乾燥した植物の中に鉱物界が準備されていました。

そして、植物動物が成長していきました。植物動物は今日の珊瑚礁のように土壌に固く結びつけられていて、動くことはできませんでした。

 

 

 

植物が鉱物化し、山になっている証拠は随所に見られます。

 

 

 

 

 

 

 

 

植物は成長します。

そして、衰微し、枯れます。

しかし、それによって、地上に土や鉱物をもたらしたのです。

山に枯葉が落ちて、肥沃土となります。

桜は、花びらをどれほどたくさん落としても、けっして地上を汚しません。

土に変わってしまうのです。

 

植物は、地球を生物が住める環境に作り替えていったのです。

それは、偶然ではなく、植物が担った使命であり、植物の奉仕なのです。

植物には二酸化炭素を酸素に変える役割があります。

成長し、衰微していく植物の中に、酸素を生み出し、鉱物を作り出し、他の生物の生育環境を整える叡智があります。

 

私たちは植物が存在しなければ生きることができません。

私たちが生きる舞台や環境を植物は作り出しているのです。