過去を思い出したくない | ナースのひとりごと

ナースのひとりごと

伊豆市出身、浅草在住。近所の下町クリニックの看護師。高齢者のスマホ教室のインストラクター。

最近、2つのエピソードで自覚した。


私の心は、やっぱり病んでいたんだね。


1つは、伊豆の家に何年かぶりに行って、

片付けものをしていた時のこと。


物に触れるだけで、

記憶の引き出しが一気に開いて、

胸が痛くなり、頭痛がしてきた。

楽しい思い出も思い出すが、

辛い思い出も思い出す。


それでも、せっかく来たのだからと、

我慢してその作業を続けていたが、

もうだめだ、と限界を感じた。


着物もたくさんあるので、

車に積み込もうとしたが、

この場所から離れなさいと心が叫ぶ。


こんなふうになるのが、

多分分かっていたから、

来れなかったのねと分かった。


ゴミの袋を4つと、着物を入れた袋を2つだけ、

車に乗せて横浜に帰ってきた。


たぶん、近所の人は、

親不孝な娘だと言っているだろう。

でも、自分が生きているだけで、

精一杯の時があったのよね。


もう一つは、

明治一代女の記憶を引き出しにしまっていた事。

調べたら、ちゃんと見ていたし、

内容も知っていた。


少しずつ記憶が蘇ってきたら、

当時の嫌な思い出も出て来て辛くなったので、

思い出すのをやめてしまった。


記憶は忘れたのではなく、

引き出しに仕舞うのよね。

物に触るだけで、その引き出しが開くのよね。


だから、断捨離の作業は辛い。