阿闍梨【外伝】一隅を照らす

❖季節の法話 皐月・五月

引用 浄土宗西山深草派布教師会 公式サイトから


総本山誓願寺

 

皐月(五月)


陽気盛んとなり、万物が成長し、天地に満ちあふれる小満の5月。 青葉若葉をわたる風の心地よい季節。 にもかかわらず人の心は、五月病などと裏腹のことが多いものです。  


私たちは日々、目先の出来事に追われ心を落ち着かせる暇がありません。 「むりせず、いそがず、はみださず、りきまず、ひがまず、いばらない。」とは、比叡山延暦寺の千日回峰行を2回もされた酒井雄哉上人(78才)のお言葉です。



忙しすぎる世の中だからこそ、「忙中閑あり」の言葉もあります。 一日に一度、十分ぐらいは、スピードを落として下さい。 仏檀の前に座る。 手を合わせる。 念仏する。 この静かなひとときこそ「人」に戻った時ではないでしょうか。  


最近、人間のバランスが崩れています。 家庭(親と子)、学校(先生と生徒)、社会(地域住民と個人)は、それぞれ両輪の如く、持ちつ持たれつお互いの立場を理解しあうのが本来の姿です。


取り戻すべき、静かなひととき、これを禅定と言います。  

この禅定を得る方法が、「南無阿弥陀仏」のお念仏です。


仏檀の前に座る。 手を合わせる。 念仏する。 その時、私どもの心が、本来の「人」に戻してくれます。 「そうだったのか!」、「こうすればよかった!」、「生かされている。有り難い!」と 「人」がそのまま「仏」にもさせていただけるのです。


みんな、同じ地球の中で生きている。 お互いに、ご縁を頂いて…。


「むりせず、いそがず、はみださず、りきまず、ひがまず、いばらない。」 を、座右の銘としたいものです。


合掌 十念


新美和彦 師 〔愛知県蒲郡市 玉泉院 住職〕


浄土宗西山深草派総本山 誓願寺


都府京都市中京区新京極桜之町453 (新京極通り六角下る)


誓願寺は京都の中心地、新京極通りのど真ん中にある「浄土宗西山深草派」の総本山です。 創建は、はるか飛鳥時代まで遡り、その長い歴史の変遷の中、法然上人、西山国師、立信上人と続く浄土門の聖地として…、 また深い山間ではなく、「街の中にあるお寺」、「暮らしに密着した信仰の場=念仏道場」として人々に愛され続けてまいりました。


そのためか誓願寺にゆかりの深い歴史上の人物も大変多く、ことに清少納言、和泉式部、松の丸殿といった女性たちからの深い信仰を集めたため「女人往生の寺」とも称され、そのほかにも落語の祖と呼ばれる「策伝上人」や謡曲「誓願寺(世阿弥作)」に謡われるなど、落語発祥の寺、芸道上達の寺としても広く信仰を集めております。


公式サイトから

https://www.fukakusa.or.jp/smt/p012.html


誓願寺阿弥陀如来坐像