Vol.9 モロッコ料理は美味しいけれど..... | イタリアでモロッコごはん

イタリアでモロッコごはん

イタリア在住 リツコがモロッコ人と結婚を決めた途端、介護同居生活が始まり今に至るドタバタと、美味しいモロッコ&地中海料理について語ります♪

お家に赤ちゃんがやってきた喜びで

鬱から躁(超ハイテンション)に

転換した義姉だけれど

 

可愛いのは自分の姪っ子である私の娘だけで

相変わらず私とはコミュニケーションを上手く取れなかった。

 

 

今思い返せば、義姉は超HSP(超繊細さん)で

イタリア語も大抵のことは解るけれど

解らないところは、義姉特有の

偏ったモロッコ人メンタルで解釈してしまうので

 

私がぶっきらぼうに放った一言が

彼女の耳を通って脳みそに届く頃には

ぶっ飛んだ解釈で理解されていたりして

 

そもそも私が言いたいことは上手く伝わることはなく

夫の口から義姉がどう解釈していたかを聞かされて

愕然としたことが多々あった。

 

 

 

そして義姉はコミュ障でもあるので

料理する時は、絶対に独りの時間にパパッと作ってしまい

あとは自分の部屋に籠っていることが多かった。

 

 



 

私の大学の研修が始まると

午前中は病院で研修、

一旦帰って昼食、授乳して娘をお昼寝させて

午後は18時半までビッシリ授業

という日が続いたので

 

ヘトヘトになって家に帰ると

義姉が夕飯を作ってくれていて

あとは食べるだけ、の状態になっていたことが

何よりの助けだった。

 

 

義姉はモロッコ料理でも

イタリアンでも美味しく作れた。

 

サウジアラビアで働いていたこともあったので

中東のピラフのようなお米料理も

サイコーに美味しかった。

 

 

モロッコ料理は本当に美味しいけれど

こんな状態だったので

私が帰る頃には料理は出来上がっていて

 

私は作っている過程を見れないので

義姉が私に料理を教えてくれることはなかった。

 

 

義姉は愛想が良いのはうちの娘にだけで

私には相変わらずキツく当たるので

 

「この料理、どうやって作ったの?」

などと気軽に聞けないくらい

彼女はピリピリしていて

 

私も相当疲れていたし

こんな相手のご機嫌取れるほど余裕もなく

食べたらすぐに娘に授乳して寝てしまっていた。

 

 

つまり、私はモロッコ料理は

まずは舌で覚えた。

 

食べる側に徹して

見たこともないお肉とフルーツのハーモニーに

舌鼓を打ちながら、その味を脳に叩き込んだ。

 

義姉は作るのは好きだけど

気分にムラがあり過ぎて

誰かに教えられる精神的キャパがない状態だった。

 

 

今思えば、あの頃の義姉は

まだインスリン治療に突入していなかったので

血糖値の乱高下が激し過ぎて

自分でもそのイライラを制御できない状態だったのかもしれない。

 

 

こんな、当たり前のコミュニケーションすら

取れない人との同居は

本当に大変だったけれど

 

私達は小さなエンジェルである娘をかすがいに

かなり絶妙なバランスで

毎日の生活を乗り切っていた。

 

 

Vol.10 につづく