辞書に頼るしかなかったあの頃 | イタリアでモロッコごはん

イタリアでモロッコごはん

イタリア在住 リツコがモロッコ人と結婚を決めた途端、介護同居生活が始まり今に至るドタバタと、美味しいモロッコ&地中海料理について語ります♪

2001年の5月末、私は

6ヶ月の短期留学のために

大荷物でイタリア、フィレンツェに降り立った。

 

 

予約していた3つ星ホテルは

立地は良かったけれど

建物が古すぎてエレベーターが無くポーン

夜中0時に着いた私のことを

レセプションの人が助けてくれた滝汗

 

 

その中には赤色の緑と赤の伊和、和伊辞典が入っていた。

 

きっとあの頃、電子辞書がなかったのだろう。

スマホはもちろんなかった。

 

私はコレを大荷物の中に入れてきて

語学学校にも持って行っていた。

 

 

 

先生に指される前に

色々単語を調べて

なるべく答えられるように用意していたけれど

勉強嫌いの私には、大層疲れる作業だった。

 

 

6ヶ月行く予定だったイタリア語学校は

4ヶ月過ぎたあたりから

自分にはありえないレベルになってきて

最終的にはボイコットグラサン行かなくなった。

 

 

ラテン語圏出身の

フランス人やスペイン人の

レベルに合わせた授業になっていくので

アジア人は取り残されるのが常だった。

 

 

だって、彼らは単語をなんとなく知っているのだから

無知な私達が肩を並べられるワケがない。






イタリアンカラーの電車イタリア

 

そのうちカシオの電子辞書を買ってきて

その赤と緑の辞書は持ち歩かなくなった。

あの重い2冊がこの小さな手帳サイズに入っていることが

本当にありがたかった。

 

 

 

大学に入学した当時もまだスマホは出ていなかった。

 

その頃に調べようとする単語は

もはや赤緑辞書には載っていなかった。

 

途方に暮れた私は

その電子辞書の中にあった伊英辞典で調べて

次にオックスフォード英英辞典で調べ直すか

パソコン上で英日で調べ直したり

Wikipediaの英語版を日本語版表記にしたりして調べた。

 

 

だから、スマホの登場と共に

私はその赤と緑の辞書を容赦なく捨てることが出来た。

 

本当にゴミ箱に捨てるのは忍びないので

語学学校に寄付した。

 

 

断捨離する時に辞書は

かなり愛着があるので

捨てるのが難しい人が多いと思う。

 

でもスマホがあるのなら、もう全捨てでも良いと思う。

 

 

大学のフランス語のフランス人教授は

Larousse dictionnaire ( ラルース仏仏辞典)推しで

学生達に買うように勧めていたが

厚みが10cmもある、しかもメチャ重い辞典を

買う気にはなれなかった。

 

このフランス人教授はこの辞典の監修に関わっていたので

とにかくイタリア人学生が抱えているのを見てご満悦だっただけだ。

 

 

私は素直じゃないので

あんなものを買うのならば

ラルースが入っている電子辞書を買い直した。

何故なら持っていた大昔のカシオにはそのバージョンがなかったから。

 

 

私はラルースが入っている辞書を授業中に使っていたら

 

「そこの小さなコンピューターで遊んでいるあなた、止めなさい!」

と怒られたが

 

教授にラルースが入っているのを見せたら

目を剥いて驚いて、それなら良いと許可が出た爆  笑

 

 

その教授は、ラルースならばテストの日に持ち込んでも良いと言った。

可笑しかったのが、テストの日

巨大なラルース辞典を持ち込んでいた学生のほとんどが

辞書をカンペ(カンニングペーパー)として使っていたことだニヤニヤ

 

 

スマホをカンペ代わりに使うのは

なかなか勇気が要るけれど

持ち込み許可された大きな辞書に

みんな書き込みをしていたのだグラサン

 

 

 

良いではないか。

その教授の授業なんて言葉遊びゲームのような

言語学(比較文献学)だったし

 

その教授のプライドは

学生達がラルースを抱えてくることで満たされ

学生達は重い思いをしながらカンペを持ってきて助かったのだから。

 

 

ちなみにそのテストは

私でも一発で受かる、簡単なものだったちゅー

 

必死に前夜、カンペを作っていた学生は

本当に勉強していなかった子達だろう。

 

 

今やこの学生達はスマホ一つで何でも調べられる。

 

本当に恵まれた環境だと思う。

ただ、スマホを持っていることで

無駄な時間の浪費をしがちな今

 

どれだけ自分を厳しく律して

スケジュール管理できるかが

自分の目標を達成するための鍵を握っていると思う。