古代小麦を栽培する男☆ | イタリアでモロッコごはん

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ず~っとやりたかったフランス語の勉強を再開!充実の勉強ライフも一緒にお届けいたします☆


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柔らかくフワフワで

一週間後もずっとフワフワしたパンを
オカシイとも思わずに食べていた子供の頃の私。
 
 
それが当たり前だと思っていて
1番手っ取り早く買えるところに
ソレが置いてあったのだから仕方がない。
 
 
 
そのうち、ドイツやフランスで修行してきたパン屋さんが
酵母の香りがして、とても美味しいパンを売り始めた。
 
 
 
チーズには美味しいパンとワインが欠かせないので
私はチーズの会社で働いていた頃は
パン屋巡りも楽しみの1つだった。
 
 
 
だけど、イタリアに来て
もう、そんな表面的な話など
根底から覆されるような体験をした。
 
 
 
 
古代小麦を自ら栽培し
収穫した小麦を石臼で挽いて小麦粉にしてパンを捏ね、
薪オーブンで焼いている男がいるという。
 
 
 
彼とは、たまたま依頼された通訳のお仕事で知り合った。
 
 
 
 
 
 
 
彼が使っているオーブンは
かつて村の共同窯として使われていたもので
人々はそこで週1回パンを焼いて
1週間かけて少しずつ食べていたのだという。
 
 
 
日本で食べていた
いわゆる美味しいパンや
イタリアのスーパーで買うパンは
すぐに硬くなってしまうではないか?
 
 
 
昔のパンと現代のパンでは
根本的な違いがある。
 
 
昔は品種改良されていない古代種の小麦を使用し
石臼で小麦を挽いて粉にして
天然酵母を使って生地を長時間かけて発酵させ
こうして、ゆっくり、ゆっくり発酵して膨らんだ生地を高温の薪で焼き上げると、硬くならない。
本当に1週間かけて食べられるのだ。
 
 
 
 
 
 
忙しい現代では
短時間で発酵するように品種改良された小麦で
短時間で発酵出来るように作られたイーストを使い
すぐに食べきるパンを大量生産している。
 
 
 
私はイタリアに来るまで
「小麦」のことまで考えたことは無かった。
 
 
彼は8年物の天然酵母を使っていた。
パンを捏ねては、その生地の一部をちぎって
次のパン作りまで保管しておく。
 
 
もし今でもその天然酵母が生きているのなら
10年以上引き継いでいることになる。
この酵母は短時間では発酵せず
ゆっくり時間をかけないことには発酵しない。
 

私はこのシンプルなパンひとつに
ここまで手間暇かけて取り組んでいる彼を見て
そして私の今までの食生活を振り返って
虚しさが込み上げてくるのを抑えられなかった。
 
 
これぞ見直されるべき
食の在り方ではなかろうか??
一体今まで私は何を口に運んできたのだろうか??
私は彼の食への姿勢に感銘を受け
胸が締め付けられ、これまでの自分に恥ずかしささえ感じた。
 
 
 
日本のどこの家庭でも米は炊かれるが
炊飯器でボタン1つで炊き上がり
モッチモチな食感に品種改良を重ねたお米を
当たり前だと思って食べている事実にも
私は疑問を抱かざるを得なかった。
 
 
 
これ程まで愛おしく小麦を栽培し
時には山から降りてくるイノシシに小麦を荒らされ
機械も使わずに大量の小麦を捏ね
1Kgあるパンを60個も焼き上げていた。
 
 
 
彼は自分の古代小麦のパンを薄切りにして
グリルでカリッと焼いて
小さく切ったプチトマトとちぎったバジルの葉をオリーブオイルで和えて
パンの上に載せたブルスケッタを
 
ハイ、食べな!
 
と私の手にのせてくれた。
 
 
それを口に運ぶと、
パンにジュワッと染み込んだトマトとオリーブオイルの旨味と
フッと鼻に抜けるバジルの香り
そして噛みしめるほどに旨味が広がるパンの
美味しいことといったら!!!
 
 
 
ご一緒させて頂いたお客様グループの皆様も
このブルスケッタを食べた後は
感嘆の声で溢れて
その場が幸せのオーラに包まれた♡
 
 
 
 
 
 
 
彼は、今日も元気にパンを売っていた♪
 
 
誰をも幸せにしてくれるこの笑顔、LOVE ハート
 
 
 
私の食への観念を根底から覆してくれた彼との出逢いに
今でも感謝の気持ちで一杯で
思い出せば切なくなってウルウル。
 
 
 
選択肢の無いスーパーに並ぶ
その小麦粉が、忙しい現代の都合に合わせて
品種改良された商品で
それが様々な病気の原因だとしたら
私達は詐欺にあっているようなものだ。
 
 
都合良く品種改良を重ねた小麦は
人類に様々な弊害を引き起こしてきた。
 
捏ねやすいようにグルテン量を引き上げ
すぐにフワッフワなパンが出来るように改良された小麦。
 
 
古代種の小麦と比べたら異常に高い現代の小麦のグルテン量は
グルテン不耐症というセリアック病や
日本で言う小麦アレルギーを引き起こした。
 
 
 
イタリアでも意識の高い人は
購入する食材を厳しい目で選んでいる。
 
もうスーパーマーケットにそれしか無いからと
スーパーのせいにしている時代は終わった。
 
自分で選ぶのだ。
 
受け身の食生活はやめて
攻めの食生活に切り替えるのだ。
確かな食材を探しだすのだ。
 
 
 
パンを焼く彼の生き方から
私が学んだ事の、ほんの一部を書いてみました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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