アメリカ南部の料理に グリッツ というものがある。
それだけで食べると特にこれといった味はなく、ほんのりと甘みが感じられる。
水や牛乳で煮てドロドロになると食べごろ。日本でいうところの おかゆ みたいな感じ。
グリッツだけ食べても特に美味しくもなければ不味くもない。






このグリッツ、もちろん家で食べる人もいるけれど一番よく見るのは朝食やブランチを出すレストラン。
必ずあるんです。 グリッツ。 カリフォルニアでは見たことありませんでした。
このグリッツ、レストランのクオリティーを判断するのにはものすごい役に立つのよ。
グリッツが美味しい店はだいたいほかの料理もおいしいから。
特に味のないグリッツを美味しくするにはやっぱりそれなりのセンスがないと美味しくならないのです。
 
よくあるパターンがチーズグリッツといってグリッツの上にチーズがのっているもの。
安い店だとピザのとろけるチーズみたいなので、特に塩気も何もなく、私が何かを足さないと物足りなさの塊みたいな味がする。
 
良い感じの店だとトッピングがいろいろついてくる。たとえば炒ったマッシュルームとか。
チーズだけじゃなく、なんかよくわからないソースがかかっていて混ぜるとドロドロで見た目悪いんだけどソースの出汁で味がついておいしくなる。
 
個人的に一番美味しいと思うのはレストランでよく見る シュリンプ&グリッツのルイジアナスタイルソースがけ。
シュリンプ&グリッツといってグリッツの上にエビがのっている店は結構あるんだけど、やはりそれだけだと味がそこまでないのよ。
凝っているお店はそこに自家製ホワイトソースをかけたり、野菜を乗っけたりして食べ応えあるようにするんだよね。
その中でも一番美味しいと思うのはルイジアナスパイスをたっぷりつかったクリオールスパイがっつりのソースがかかったシュリンプ&グリッツ。
これはグリッツ嫌いでも美味しいと絶対に思えるぐらいおすすめ。
グリッツの主張しない味と、ちょっと存在感のある触感がスパイスたっぷりでグリルされたエビと、ケイジャンソースにものすごくあってるの。
もう絶品よ。
日本でいう、キムチチゲに米投入!みたいな感じ。
日本では出会うことがないかもしれないけど、アメリカに来たら(南部)試してみてね。
 




ついでにグリッツは何者なのかってよく聞くんだけど、トウモロコシです。
トウモロコシのどの部分?!って言われても、根っこ(トウモロコシの茎の近く)じゃないかなって思うんだけどそんな無駄が多くなるような食料じゃないからきっとトウモロコシの実の部分全部を乾燥して・・・とかそんな感じだと思うんだけどね。
トウモロコシの主張がゼロで、あんまりわからない感じ。
米と言われれば米みたいな、トウモロコシと言えばトウモロコシみたいな、湯がいたナッツと言われればそうなのかと思うような不思議な食べ物です。
何度も言うけれど、決して美味しいとか美味しくないとかコメントできるような食べ物ではありません。
が、トッピング&ソース&味付けでいろいろ可能性を引き出せる伸びしろのある食べ物であることには間違いありません。
 
そんでもって南部の人はトウモロコシ系の食べ物好きです。好きっていうか歴史的背景もあり食文化の一部になってます。
グリッツの他にもコーンミールというトウモロコシを粉にしたものでちょっと甘いパンみたいなのを作ります(コーンブレッド)。
場所によってはフワフワ系とドッシリ系、甘い系、サッパリ系とこちらもお店によって触感や味が様々。
あと、ハッシュパピーといって日本でいうアメリカンドッグのまわりの生地だけを揚げたものもあります。
アメリカンドッグ感覚でケチャップにつけて食べたらアメリカ人にびっくりされました。
 
そんなわけでグリッツ、もし食べる機会があったら食べてみてくださいー