吉田裕子(塾講師)の国語エッセー | 古典(古文・漢文)・近現代文学・歌舞伎・狂言

”国語を学ぶことで、感受性と対話力を磨いたら、人生はもっと楽しい。”という思いのもと、ブログや書籍で情報を発信する他、定期的に「大人向け古典講座」を開催しています。予備校・高校・カルチャースクールの講師、ライター。


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『ひらがなでよめばわかる日本語』(中西進、新潮文庫)という本を読みましたニコニコ

今の日本語に連なる古文単語の語源を、その背景にある日本人のものの見方と合わせて語ってゆく一冊です。


たとえば、「気配」という言葉があります。

これは、歴史的仮名遣いで平仮名に直せば、「けはひ」です。

「け」はぼんやりと漂うものを指しますが、それに「延ふ(はふ)」を合わせることで、ぼんやりとした何かがこちらまでやってくるような印象を表す言葉になりました。

(「這ふ」と違う漢字で書くこともありますが、これも、もともとのところをたどれば同じです。赤ちゃんの「はいはい」もここからですねニコニコ


この「延ふ(はふ)」の別の用例としては、「幸い」があります。

これを平仮名に直すと「さきはひ」。「さき」は「咲き」に通じ、花が咲き誇るイメージです。その栄華が「延ふ」=「長く先まで続く」ところに「幸い」があるわけですね。


このように、今あてられている漢字をいったん平仮名に直し、その歴史的仮名遣いから語源を考えていくことで、見えてくるものがたくさんある訳です。


そのような言葉の旅に連れていってくれる、興味深い一冊です音譜


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日本語には、自分を低く言うことで相手を立てる表現がたくさんあります。


たとえば、古語辞典で「恥ずかし」をひくと、「立派だ」という意味が出てきます。

「恥ずかしい」と「立派だ」なんて、まったく逆のことのように思える訳ですが、これは、「立派な人といると、それと比べて劣っている自分を恥ずかしく思う」ということで生じた意味なんですね。


現代でも「もったいないお言葉です」というようなことを言いますが、これも、「頂戴したお言葉は素晴らしすぎて、自分なんかにはもったいない」と謙遜することで、感謝を伝えています。


「いただく」や「申す」など、敬語の謙譲語というのも、自分や身内の動作をへり下って言うことで相手への敬意をあらわすもので、外国語にはほとんど見られません。


こんな風に、言語には国民性が色濃く出るものなのですニコニコ



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古文単語の中には、
日本人の信仰に由来している言葉が、
たくさんあります。


日本語の年輪 (新潮文庫)/新潮社



この本の「かしこし」の説明は、
そのことをよく伝えてくれますニコニコ



自然界のあらゆる物事が、
生物と無生物とを問わず、
すべて精霊を持つと思い、
その精霊の働きを崇拝する。

これがアニミズムであり、
古代日本人の意識を特色づける一つの代表的なものである。

人々は、海や、波や、沖や、山や、奥山や、
坂や、道や、大きな岩や、つむじ風、雷などに
霊力があると思い、
その精霊や威力を恐れ、
それらの前にかしこまった。

その気持が「かしこし」という気持である。

これが拡張されて、
神に対する畏敬の念となり、
天皇、また皇子、
さらには天皇のお言葉に対する恐れの念についても
「かしこし」と表現したのである。


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