東慶寺(北鎌倉)に梅をたずねて | 吉田裕子(塾講師)の国語エッセー | 古典(古文・漢文)・近現代文学・歌舞伎・狂言

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”国語を学ぶことで、感受性と対話力を磨いたら、人生はもっと楽しい。”という思いのもと、ブログや書籍で情報を発信する他、定期的に「大人向け古典講座」を開催しています。予備校・高校・カルチャースクールの講師、ライター。


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10日ほど前、北鎌倉に出かけました 円覚寺や浄智寺、建長寺、明月院など、たくさんの寺社が集まる北鎌倉ですが、今回は、駅前すぐの東慶寺に立ち寄りました。

東慶寺を知ったキッカケは、井上ひさしさんの小説でした。

東慶寺花だより (文春文庫)/文藝春秋


江戸時代、夫と離縁したい女性の駆け込み寺として機能していた東慶寺。そのそばにある宿屋に居候する信次郎という青年の視点から、駈け込むに至った女性たち一人ひとりのドラマを描く短編連作集です。

2014年、市川染五郎さん主演で歌舞伎化されたのに加え、今年の初夏には、大泉洋さん主演で映画にもなるそうです。

>> 『駆込み女と駆出し男』

私は小説も読みましたし、歌舞伎の舞台も観に行ったのですが、駈け込む女性の決心や、それを迎え入れる人たちの厳しさと優しさ、周りの家族の動揺や愛憎に泣き笑いする、素晴らしい人情ドラマでした。


600年にわたり続いていたというその縁切り寺法は、明治4年に廃止されています。現在、東慶寺は尼寺という訳でもありません。ただ、往時の顔、お寺のルーツを何か感じられるものはないかと見渡したところ、以下のような歌碑を見付けました。

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「流らふる大悲の海によばふこゑ時をへだててなほたしかなり」(人々を救おうと呼びかける、大きな慈悲の心に満ちた声は、時を隔ててもなお確かに感じられることだ)と書かれています。これは、四賀光子さんという方の短歌で、この尼寺を開いた覚山尼を讃えた歌なのだそうです。

男性優位の社会の中で、追い込まれた女性たちを救済してきた、東慶寺の尼寺としての顔を垣間見たような気分になりました。


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なお、出かけたのは、2月24日でしたが、梅はもう少ししてからが見ごろかな? という感じでした。(きっと今ごろ良いんでしょうね……!) ブログ「東慶寺 花だより」によると、紫陽花もとてもきれいなお寺のようなので、その時季にでも再訪したいところです

面積としては、やや小さなお寺ですが、山側に墓地が併設されています。西田幾多郎さんや鈴木大拙さん、小林秀雄さん、和辻哲郎さんなど、多くの文人が眠っています。


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東慶寺などを一巡りした後のランチにおすすめなのは、すぐ近くの蔵屋さん。古民家を移築したという、落ち着いたたたずまい。地元のお野菜・山菜を使った天ぷらなどが美味しかったです


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★ホームページはこちら。著書(『美しい女性(ひと)をつくる 言葉のお作法』(かんき出版)、『頭をよくする整理のしかた』、『人生が変わる読書術』、『正しい日本語の使い方』、『大人の文章術』、『源氏物語を知りたい』、『東大生の超勉強法』(枻出版社)など)でも情報を発信しております。

都内の大学受験塾に勤務する他、隔週月曜13時に東急セミナーBE古典入門講座を担当しています。また、吉祥寺 古典を読む会も主宰しております(2月15日(日)14時「中宮 定子の人生」)。

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