吉田裕子(塾講師)の国語エッセー | 古典(古文・漢文)・近現代文学・歌舞伎・狂言

”国語を学ぶことで、感受性と対話力を磨いたら、人生はもっと楽しい。”という思いのもと、ブログや書籍で情報を発信する他、定期的に「大人向け古典講座」を開催しています。予備校・高校・カルチャースクールの講師、ライター。


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慶應(通信)の夏期スクーリングで、ゼミ形式の科目を履修しています。

『被抑圧者の教育学』という本を輪読していく授業です。その議論を聞いている中で、ストレスを感じることがあります。そのストレスの原因を考えていく中で、1つの問題点に気がつきました。


それは、本の内容を批判しようとする学生が、

・国語的な読解力不足で理解できないこと
・筆者の議論があいまいで理解できないこと
・時代背景が違うから共感しえないことと
・自分の価値観と合わないから共感しえないこと


を区別せずに発言しているということです。


教育学の場合、この区別がどうしてもあいまいになりやすいとは思うんです。ただ、議論の次元を区別しようという意識を持つだけで、もっと議論が噛み合ってくるように感じました。



大学のゼミに限らず、なにか本を読むときには、

(1)書いてあること
(2)書いてあることを根拠に当然の帰結として導き出せること
(3)そういう可能性もありうること
(4)本文に関連して思い出した別の話


をそれぞれ区別するということが、とても大切だと思うんです。論説文であれ、小説であれ。(きっと、入試国語(現代文)というのは、その良いトレーニングになり得るとは思うんです。)


もちろん、小説などで自由な読みというのもあって良いだろうけど、それだけではいけないと思います。それが100%できるかどうかはともかくとして、文章自体を正確に理解しようとする努力はされるべきだと。個性的な感想を持つということは、それとは別の次元で尊重・評価されるものだと思うのです。


★ホームページはこちら日常の気づきのブログもあります

★近日開催の公開講座は、9/1(日)14時「吉祥寺 古典を読む会」、9/8(日)13時、(株)お節介 主催「女性限定古典講座 武家社会の女達 平家物語を読む」です。

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ゼロからわかる!図説 百人一首: 人気まんが『うた恋い。』も登場! (学研ムック)/学研マーケティング



年表や系図がキレイにまとまっていて見やすい一冊。

ただ、「百人一首の場所」などのチョイスは的外れな印象。。。文学作品や作家のエッセイも多数引用されているのですが、「百人一首」に少しでも言及している文章をとりあえず載せた、という感じで、面白いものはほとんどありませんでした。


冒頭の『うた恋い。』監修社の渡部泰明先生のインタビューは楽しく読みました。


源氏物語を知りたい/エイ出版社



私も『源氏物語を知りたい』で、入門マンガを監修しましたが、そのときの監修のスタンスは渡部先生に近いものであったように思いました。(勝手に「あのスタンスでよかったんだ!」と自信をいただきました(笑))


“力のある作品に対して、研究者として、「こういうことはありえない」というのは野暮だなあと。意見を申し上げることもありますが、「今回もとても面白く読ませていただきました」と申し上げることが多いです(笑) 「創造の範囲」だと。”

“作者と作品の関係をゆるやかに、作者そのものが「演技(本当の気持ちを探し求める営み)をしている」と考えてみたい。そして、後世の人が、どのように和歌と関わってきたのかを考えてみる。作者像をふくらませるのは読者の権利でもある。それによって、また和歌という作品が再生されていく。”



私も、古典作品というものは、それ自体と、後世の人々が肉付けしてきたことと、その両方がパワーを持っているのだと考えています。

自分自身が勉強するに当たっては、作品それ自体に迫る努力をし続けたいと思っていますが、その学びを本にまとめるときは、また別のスタンスです。マンガ家さんや編集者さんの力を借りながら、時代や読者層に応じて作品を輝かせる試みをしたいと思っています。



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