世界観episode20~想像以上の受験ストレス(HSP中学校編・その③)

 

 

  前回は

  私が思春期を迎えた

  私が自分と姉の容姿を

  比べることをお話ししました。

 

   世界観episode19~太めな私とほっそりな姉(HSP中学校編・その③)

 

   

  今回は、

  高校受験のストレスが

  想像以上だったことを

  お話しします。

 

  中学3年生になり、

  いよいよ受験生活が

  始まります。

  

  3年生は、

  クラスの担任の先生に恵まれ、

  いじめのない落ち着いて

  勉強に取り組める環境でした。

  苦手教科の数学と国語のの

  担任の先生にも恵まれました。

 

 

  (HSS型HSPの特性ですが、

   自分に合った環境であれば

   能力が開花し、

   実力を発揮できますが、

   合わない環境だと

   潰れていくというものがあります。

   国語と数学はまさに

   これでした。)

 

 

  痩せたことにより

  自信を取り戻した私は、

  徐々に成績は持ち直していきました。  

  

  夏を迎える頃には

  第一志望の公立には、

  落ちることはまずないくらいに

  なりました。

 

    そもそも第一志望の公立は、

  5段階評価の3の上から

      合格可能という、

  ほぼちょっと勉強ができれば

  合格は当たり前の学校でした。

     

  合格確実であっても

  私は安心することが

  できませんでした。

 

  なぜなら、

  私にとっては、

  合格するのが当たり前で、

  失敗は許されなかったのです。

 

 

    私がそう思い詰めた理由ですが、

  

  一つには、賢い姉への対抗心、

  二つには、世間への羞恥心、

  三つには、落ちることへの恐怖心

 

  この三つでした。


    

  羞恥心ですが、

  家族・親戚でけでなく

  近所の人といった周囲の人に対して

  感じるのものでした。

  

 

  姉が優秀だったため

  「お姉ちゃんは賢いのに、

   ○○ちゃんは高校落ちたんだってね」

 

  「あそこの家はお姉ちゃんは

   賢いけど、下のお子さんはちょっと....」

   

 

  母が元中学校の英語の先生だったため、

  「○○さんは、

   お母さんが先生だったのに

   頭が悪かったんだね」

 

   「お母さんが英語の先生だったから、

   英語を教えてもらってただろうに、

   できなかったんだね」

 

 

  と言われることが恥ずかしく、

  恐怖でしかありませんでした。

 

  また、両親や姉がそう言われるて、

  不名誉に思うだろうなと思うと、

  恥ずかしさと恐怖はすさまじい

  ものでした。  

 

 

  私は

  「勉強ができて当たり前」

  「英語ができて当たり前」

  「高校は姉同様公立に行くのが当たり前」

 

  という環境にいたのです。

 

 

  プレッシャーが増す理由に、

  滑り止めとして受験する

  私立高校でには、

  上位の生徒が選抜される

  授業料免除の特待生枠

  というのがあったのです。

  優秀だった姉は当然

  この特待生で合格していました。

  

  私が成績を持ち直したこともあり、

  家族内では、特待生合格が

  当たり前という空気がありました。

  

  もちろん、

  母は特待生で合格しなくても良いと

  言ってはくれましたが、

  本心は違っていたと思います。

 

  では、

  成績が余裕の合格圏内であり、

  (特待生枠での合格県内も含め)

  なぜそんなに不安だったのでしょうか。

 

  それは、

  国語と数学の成績が

  不安定だったからです。

 

  

  国語は得意教科では

  ありましたが、

  小説が苦手だったのです。

  このため点数が不安定でした。

  

  HSS型HSPの特性に

  感受性が鋭い、

  人の気持ちを読むのが

  得意というのがあります。

  ですが、一方で

  独自の感性を持っています。

  このため、

  私は感想文で賞を取るのは

  珍しくなかったのですが、

  小説のテスト問題には

  感性との相性の

  当たり外れがあったのです。

  

 

  つまり、

  国語のテストで求められる回答は、

  出題者の意を汲んだだ回答であり、

  「感性」は邪魔なのです。

    

 

  小説家が自分の小説の

  テスト問題を解いたら

  間違えるという話があるくらい、

  「感性」と「出題者の意図」とが

  相容れないことがあるのです。

  

  出題者の意図と

  相性が良い問題なら良いのですが、

  相性が悪い問題の場合は

  点数が格段に落ちるのです。

 

   

  数学もなぜか

  成績が不安定でした。

  かなり良いときと悪いときが

  あったのです。

 

 

  国語の成績が

  不安定である以上、

  当時の私にとって、

  数学は不動の成績をとらなければ

  「100%特待生免除での合格確実」の

  安心は得られなかったのです。

 

  

  苦手な数学は、

  授業後分からないところは

  必ず先生に質問していました。  

   

 

  夏を過ぎて

  部活動を引退してからは、

  放課後も質問に行っていました。

  あまりにせっせと

  質問に行くので、

  「また来たか」と 

  先生によく苦笑されたものでした。

 

 

  それだけでは飽き足らず、

  当時通っていた

  塾の先生のご厚意に甘え、

  しょっちゅう尋ねに行っていました。  

  

 

  家でも

  当時高校3年生の姉に

  教わるのは遠慮して、

  かわりに母に数学や物理の問題を

  分からなければ教えてもらっていました。

 

  母は理系科目が得意だったのです。

  母は姉が解けない因数分解や方程式も

  苦もなく解いていました。

  私も高校の物理につまずいたとき、

  母に教わっていました。

 

 

  そして、

  英語については、

  母に教わっていました。

  元英語の先生の

  子供という利点をこん限り使ってやる!

  と思っていたのです。

 

 

  こうして、

  どんなに勉強しても

  勉強しても不安が拭えない、

  たえず落ちたらどうしようという

  恐怖に襲われ、

  それから逃れるために

  必死で勉強する日々が、

  延々と高校に合格するまで続きました。

  

  

  滑り止めの私立高校の数学の問題を

  見た瞬間は今でも覚えています。

  配点の高い問題と

  相性が良いのが分かり、  

  これで特待生で合格できる!と

  思ったからです。

  

 

 

  高校受験のプレッシャーが

  こんなに大きいとは

  思いませんでした。

  

  

  漫画や学園ドラマで

  ちょっと「受験生」という響きに

  憧れましたが、

  実際受験生になると、

  そんな悠長なことは全くなく、

  悲壮感が常に漂っていました。

 

 

 

  今にして思えば、

  この世が終わるくらいの勢いで、

  何をあんなに必死に心配して

  いたのだろうと思います。

  

 

  これは、

  HSS型HSPの特性に

  起因します。

 

  HSS型HSPは

  完璧主義の心配性、

  あらゆる最悪の事態を

  想定してしまう特性を

  持っています。

  

  そして、

  自己評価は低いのに

  自尊心は非常に高いのです。

 

 

  公立高校に落ちたからといって

  別に人生が終わるわけでありません。

 

  むしろ、

  滑り止めの私立高校に行き、

  充実した受験体制の中で

  全面のバックアップを受けて

  勉強した方が、

  本丸の大学受験のためには

  良かったのに。

  目先の利益につられて 

  大局を見据えることが

  できていなかったなと思います。

 

 

  それでも、

  当時の私にとっては、

  目先の利益こそが

  死活問題でした。

 

  小さくても重量級の

  ちんけなプライドを守るのに

  必死だったのです。

  そして、

  守れていなければ、

  私は潰れていました。

 

  

  この必死で勉強して

  特待生合格ももぎ取ったという

  成功体験は、

  どん底からでも

  私は這い上がることができるという

  大きな自信を私に与えました。

 

  この自信こそが

  後々も私を支え続けてくれるのです。

 

     

  ただ、

  高校に合格後から

  それから先もずっと

  私を苦しめる比較対象が

  生まれました。

 

 

  それは、

  英語も数学も理科もできる

  頭の良い母でした。

    

 

 

  明日は、

  HSS型HSPならではの

  中学校・高校生活での思い出を

  お話しします。

  

  

  

 

 

  

 

  に続きます。