貴公子が唐に行っちゃう王朝物語
いくつかありますが……
読み比べてみると面白いです
というか、面白かったです
毎度わざとらしく宣伝しますが笑
実は私、うつほ物語大事典 で「漂流譚」というテーマで論文を書いたものですから
そのときに『竹取物語』から『松浦宮物語』まで
漂流・渡航の物語をいろいろ考えてみたのですよ
遣唐使関係の歴史資料も漁って、すっかり遣唐使萌えですよ
……興味を持って下さった方は、事典を、ぜひ
比べてみると面白いのは……
どういう事情で唐に行ったか
という、まずそこの設定です
歴史の授業でも習う通り、遣唐使は894年にやめちゃっていますから
『うつほ物語』だって、これよりも成立は後です
だからなのか
最初の主人公である清原俊蔭さんは遣唐使になりますが
途中に出てくる渡唐経験キャラ良岑行正さんは
「小さい頃に誘拐されて唐に行った」
という設定になっています
で、平安後期の物語になるともっと凄くて
もはや遣唐使がなくなって久しいもんですから
面白い設定で貴公子を唐に行かせちゃいます
まず、何度か話題にしている『浜松中納言物語』ですが
生まれ変わりを大事なモチーフに使っているものなので
主人公である中納言は……
「死んだお父さんが中国の皇子に生まれ変わっているから会いに行く」
という、トンデモナイ理由で唐に行っちゃいます
……よく思いついたな、この設定
なんというか……
物語作者の頭の中って、ほんとスゴイなって思います