【妄想でタロット】へようこそ。
私の妄想から始まり、タロットが登場するお話となります。
シンデレラについては、今回が最終回です。
お付き合いくださる方は、
このままお進みくださいませ。
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シンデレラのタロット修行~運命の舞踏会へ~
「10 運命の輪」が回り始めたときは、
それに乗ることが大切。
タロットを学び始めてからのシンデレラには、
確かな変化が生まれていました。
かつては、ただ耐えるだけだった日々でした。
でも、彼女はもう知っています。
「運命は、自らの手でつかむもの」
その夜。
シンデレラが静かに夜空を見上げていると、庭に不思議な光が降り立ちました。
そして、そこには魔法使いの女性の姿が。
「あなたの心には、強い願いがあるわね」
シンデレラは驚きました。
そしてすぐに、タロットで学んだ言葉を思い出しました。
「1 魔術師」が伝えていたこと。
「創造の力、可能性を信じること。
もう準備は整っているのだから、始めよう!」
「でも……私には何もないの。
舞踏会に行く方法も、着るドレスも」
それを聞いた魔法使いは微笑み、そっと杖を振りました。
すると、庭のかぼちゃが馬車へと変わり、ボロボロの服が美しいドレスに変化しました。
足元には、繊細なガラスの靴が輝いています。
「さぁ、行きなさい。けれど、12時を過ぎると魔法は解けるよ」
「わかりました。ありがとう」
シンデレラは心の中でこう思いました。
これは、運命がくれたチャンス。
だから私は、迷わず行く。
お城の舞踏会は、夢のように華やかでした。
豪華なシャンデリア、きらめくドレス、美しく響く音楽。
しかし、シンデレラの目に映るのは、王子の姿だけでした。
彼と目が合った瞬間、
シンデレラは、時間が止まるような感覚になりました。
タロットの「6 恋人」のカードが示すのは、ただの恋ではありません。
「人生の大きな選択。心から引き寄せられるもの」
王子はまっすぐにシンデレラの手を取り、優しく微笑みました。
「一緒に踊ってくれませんか?」
シンデレラはそっと手を重ねました。
王子と踊っている間、世界が変わっていくような気がしました。
「これは夢?
それとも、運命?」
夢のような時間は、瞬く間に過ぎていきました。
気づけば、時計の針は12時の直前です。
「いけない。もう時間がない!」
シンデレラは急いでお城を飛び出しました。
王子の呼ぶ声が聞こえましたが、振り向くことはできませんでした。
運命の輪は、まだ回り続けているのだから。
階段を駆け下りる途中で、彼女のガラスの靴が片方脱げました。
けれど、立ち止まる暇はありません。
魔法が解けてしまう前に、ここを出なければ。
屋敷へ戻ると、美しいドレスは消え去り、
またいつものボロボロの服に戻っていました。
それでも、シンデレラは不思議と絶望しませんでした。
「これは終わりじゃない」
彼女はタロットの「16 塔」を思い出していました。
「思いもかけず、突然崩れ去ることがあること。
でも、それは新たな未来の始まりでもある」
王子と出会えたこと。
彼と踊れたこと。
それだけで、もう十分でした。
でも、彼女はまだ知らなかったのです。
「運命の輪」は最後まで回り続けるということを。
翌日、お城では大騒ぎになっていました。
王子は、シンデレラが落としていったガラスの靴を手がかりに、彼女を探すと言ったのです。
「この靴がぴったり合う人こそ、私の運命の相手だ!」
お城の使者が、シンデレラの屋敷にもやってきました。
継母と義理の姉たちは、何とかして靴を履こうとしましたが、どうしても履けませんでした。
そしてついに、シンデレラの番が回ってきます。
「あなたが履く必要はないわね」
継母はそう言いましたが、使者は言いました。
「すべての娘に試すようにと、王子様のご命令です」
シンデレラは、そっとガラスの靴に足を入れました。
すると。
それは
彼女の足にぴったり、だったのです。
その瞬間、そこにいた誰もが息をのみました。
タロット「20 審判」のラッパの音が聞こえるようでもありました。
呼びかけによって、真実が明らかになる。
もう隠れる必要はない。
本当の自分を認めるときが来たのだ。
本来の姿でよみがえる時が来たのだ。
お城へと迎えられたシンデレラは、王子と再会しました。
「やっと見つけた」
王子がそう言って微笑んだとき、
シンデレラは確信しました。
「これは運命だったんだわ」
シンデレラは、
タロットの「21 世界」を引いた夜のことを思い出していました。
「世界」は、
「完成と調和、旅の終わりと、新たな始まり」を意味します。
長い試練の旅を終えて、
シンデレラはようやく幸せを手にしました。
「これまでのすべての経験が、今のわたしをつくったの」
タロットを学び続けた日々を振り返っていました。
「あの時間があったからこそ、わたしは自分を前向きに保つことができたんだわ」
タロットは、こう教えてくれました。
「運命を知ることは、ただ未来を予測することではない。
それは、自分の人生を信じて、前に進む力をくれるもの」
そして。
シンデレラの物語は、新しい「世界」へと続いていくのでした。
~おわり~
ここまでお付き合いくださり、
ありがとうございました。








