ようやく「神の雫」を読んでいます | 塚本有紀のおいしいもの大好き!
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塚本有紀のおいしいもの大好き!

フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 

ずっと前、たぶんもう1年か2年前に貰って積んだままにしてあった「神の雫」を夜中にようやく読んでいます。

 

 

読み始めるととてもおもしろく、流行ったことがとても納得できます。

飲み物であるワインの味をどう表現するのか? 甘さや酸、重たさ以外に、香りを表現する言葉がいくつもあるのは知っていますが(赤い果物とか黄色い花、落ち葉とか雨上がりとか濡れた犬。火打ち石やらキューピー人形のソフビとか・・・)、でもそのくらいでは伝わりにくいし、読み物としては長く続かないはず。

 

物語の中ではそれは景色(たとえば森に湧く泉)やら心象風景(子供時代に父親に手を引かれて家に帰った様子)や絵画(北斎)にたとえられ、天才同士だと何も言わなくてもぴったりと同じものを言い当てるのです。たとえば山でも、モンブランなのか、エベレストなのか。小道をはさんで畑が違えば、おのずと違う味のワインになるわけですから、当たり前といえば当たり前ですが、すごい味覚と表現の世界が繰り広げられています。

 

現在22巻まで来ました。といっても、貰ったのはここまで。

くれた人に聞いてみたら、持ってたのはここまでだそう!

話しの流れからしたら、あと同じだけはあるはず。読みたい!

 

と思って調べたら、なんとやっぱり44巻まであり、さらに究極の神の雫を探す巻があとさらに19巻あり、今も続いているよう。

この間に取り上げられたワインが高騰したり、作者と作画担当の亜樹直さん、オキモト・シュウさんはフランスのワイン雑誌の最高賞を貰われるまでに。

分かります。ここまでワインの奥深い世界を、目で見て分かる形にしてもらったら、それはほんとに飲んでみたくなるというものです。

 

何より、何より私が感銘を受けるのは、その表現力の豊かです。

おいしいものをおいしいというのは簡単ですが、ほぼ何も表現できてはいず、人には伝わらない。でもこのストーリーの中では映像に力を借りてめくるめく表現力の世界が繰り広げられ、よくここまで表現の言葉が出てくるなあと感嘆の思いです。

 

表現するためには、その前に感じる必要があります。ゆっくり心を落ち着け、神経を集中して、味わう。

じつのところ、かつては上質なパンを食べるとき、口に入れた瞬間に意識せずともいろんな言葉がぱっと浮かんできたのに、ロデヴ委員会で走り回りながら食べるようなことをしていると感じる暇などなくなってしまいました。それはたんに「食べた」だけ。おいしいとか前回と違うとか、そのくらいのことは瞬時に分かるけれど、次の段取りを考えていたりして、形容する言葉がでてきません。

悩ましいことです。分かってはいるのです。でもそのとき忙しいことはどうにもならず・・。委員会が終わる日まで待つしかないのかも。

 

残りの巻を読みたいけれど、しかし元の生活にもどれば、やっぱり時間もなくて積ん読になること必定です。悩ましい。

 

ところでこの本は、いつでもお貸しできます。教室においておきますので、ご希望の方はお知らせください。ただし22巻までです!