ジャムの町バール・ル・デュックへ | 塚本有紀のおいしいもの大好き!

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フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 


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コメルシーを出て、グロゼイユのジャムの町バール・ル・デュックBar le Ducへ向かいます。

 

じつはコメルシーの駅に着いた瞬間に、

「これは、ちょっとヤバめ」

と思いました。もともとコメルシーとバールルデュック間の電車は朝夕しかなくて使えないことは分かっていましたので、タクシーにしようと決めていました。

しかしコメルシー駅前には何もなく、がらーんとしています。そこで着いてすぐに観光案内所でタクシーを予約してもらうことに。4軒目にようやく予約が取れました。(ほぼ人がいないのに、なぜタクシーだけ大忙し!?)

 

さて予定の時間にきっちり女性のタクシードライバーが迎えにきてくれて、雨のなかバール・ル・デュックへ。

すでに予約の電話の段階で、

75ユーロ

という約束になっています。ということは、ジャムのために1万円越え!! ひいい。

しかしここまで来て、引き返すわけにもいきません。

こんな風力発電機もたくさん

 

かつてもそんなことがありました。電車のない町だったので、通りがかったタクシーを止めると、

 

「今から病人を送っていくから。そうだね、20分後に来てあげるよ!」

 

とのこと。なんてのどかな・・と思ったことがあります。そんな話しをすると、フランスでは社会保障の枠組みで国か公が高齢者にたいしてタクシーを手配するようなことがあるらしく、ようやく合点がいきました。というわけでコメルシー近郊のタクシーも大忙しだったというわけです。

75ユーロでも見つかっただけで、ラッキーということに!

 

さて、そこまでしてなぜバールルデュックに行きたいのかというと・・・

 

フランスにはグロゼイユgroseil(フサスグリ)の有名なジャムがあり、日本でそれを買えば小さい瓶85gなのに8000円越え(ディーン&デルーカにて)。

パリで買ったこともありますが、たしか2500円くらいもしました。

 

なぜそんなに高いのかというと、そのジャムは「ガチョウの羽根で種を抜いてジャムを作る」から。

しかしあんな小さい果実から、どうやって羽根で種を抜くのか・・・? 不思議で仕方がなかったのです。

これはもうバールルデュックに行って、確かめるしかない!

 

というわけでやってきました。

Maison Dutriez

35 rue de l'etoile 55000 Bar le Duc

https://www.groseille.com

 

この町に来たら、たくさんのジャム屋さんがあるのかと夢見ていましたが、この1軒のみ。

 

この地のジャムは1344年まで歴史はさかのぼれるそうですが、このメゾンは1879年創業。当主はAnne Dutriezさん

種取り作業を見せてもらいました。

 

今はグロゼイユの季節ではないですよね?

「こうやって見学に来る人のために、あちこち手配して一年中常備しているのよ」

まずはハサミで粒を切り離し

水(?)につけておいたがちょうの羽根で

 

 

グロゼイユの横からぷすっと刺すと、種がすっと抜けでてきました。

わあ! まさかこんなに簡単だったとは。

そして穴を元の状態に戻して、おしまい。

 

「また元のように身を戻してから、沸いているシロップに投入するの。きちんと身を戻すのが重要なのよ!」

なるほど。ジャムの中にグロゼイユの実がそのまま存在するのは、こんな小さな作業あってのことです。もし種が抜けた状態そのままを乱雑にシロップに投入すれば、ぐちゃぐちゃに煮えてしまい、普通のグロゼイユジャムになってしまうでしょう。

 

これが見られて、ほんとによかった! 75ユーロかかったけど、これでもう大満足。

赤いグロゼイユジャムはかつて食べたことがあるので、今回は白のグロゼイユと、もう一つ珍しいピンクのグロゼイユを買いました。

「ピンクのは、1年に200瓶しか作れないわ」とのことで、これは即買いです。

 

 

さて満足してお店を出て、SNCF(フランス国鉄)のバールルデュック駅に向かいました。

電光掲示場を見ると、私が乗ろうとしているパリ行きのTGVはなんとsurprimeeキャンセル。(予定時刻の2時間前)

えっ、困る!

その日は日本から生徒さんたちが来る日なのです。そのお二人とアパルトマンを共有する約束です。私が帰らなければ、二人は泊まる場所がないのです。

ぎゃー、困る、困る!!

 

それから代替手段のバスが用意され、それもまた遅れ、接続するTGVも1時間遅れ・・・。イライライライラ。

さっきコメルシーで分かれた二人は、結局ナンシーで一泊するはめになったと、ラインが来ました。

「電気系統の故障により・・」とアナウンスされていますが、本当か!? フランス各地に向かう、あるいは各地から

来る電車が、次々にキャンセルになっていくのです。

あああぁぁ。

 

 

と同時に思い出したのは

「そうでした。フランスって、こういう国でした・・」

です。

 

寝ぼけていました。フランスの地方で、電車がなくなるなんてことは、過去に何度も体験しています。予定の日にパリに帰れなかったことも2度ほどもありましたっけ。

 

つまり日本から人が来る大事な日に、地方行きを決行した私がいけなかったのです。お待たせしたお二人、ごめんなさい!! 結局2時間ほど遅れてパリに戻ってきました。

 

さてパリ東駅に着いた瞬間、ダッシュで電車を飛びだしました。

改札では(最近、TGVなどの路線には改札があります)、SNCFの職員が手慣れた様子で、こんな箱を配っていました。

ずっしり重たい。開けて見ると

水やお菓子、おつまみ。パック詰めのタブレ(サラダ)、子供用のお菓子に塗り絵まで!

 

突然の故障にしては代替手段がさっと用意されたこと、その手段が遅れたら次の手段までの接続が確保されていること(つまりそれもまた遅れることを意味しますが)、そしてこんな非常食が配られること。遅延にたいして、システマティックにサポート態勢が敷かれていることに、妙に感心してしまいました。

これもフランス。

 

後日:こんな話しをフランス語の先生に話していたら、こんな動画があると教えてくれました。(いまフランスは3月末に始まったストの真っ最中です。3ヶ月間、週2回ペースと聞きました)

 

同じようにトゥールーズの駅で足止めをくった、24歳アメリカ人歌手のSNCFのストへの嘆きの歌。たまたま居合わせたギタリストをバックに歌っています。

https://www.francetvinfo.fr/economie/transports/sncf/greve-a-la-sncf/video-greve-a-la-sncf-moi-je-comprends-pas-ca-chante-sur-youtube-une-jeune-americaine-depuis-la-gare-de-toulouse_2687992.html

 

♪親愛なるSNCF。何これ。どうしてどこへも行けないの。なんでいつでもストやるの。私はアメリカ人、だから理解できないのよ。「時は金なり」ってよく知ってるわよね。でもたぶんコレがフランス。ここには知ってる人もいないのよ。ブルー。こうしてホームで待つしかないなんて・・ああ、SNCF♪

 

これほどまでに、「同感」と思ったことはありません・・・。

 

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