テリアンシェフのマルシェツアー(前編) | 塚本有紀のおいしいもの大好き!

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フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 

テリアンシェフがご案内くださる、マルシェツアーの始まりです。集合は朝の8:30!

メトロのシャルル・ミッシェルの駅を上がったところ。

この通りの反対側に、「サン・シャルル」のマルシェが火曜と金曜の朝に行われます。

 

私がかつて住んでいた界隈でもあるので、とても愛着がある通りです。

 

poivradeポワヴラードはアーティチョークの一種ですが、これはぐるっと剥いて、生で食べます。

 

 

carotte de sable砂付きのにんじんは今回あちこちで見ました。

テリアンシェフ:「土付きのほうが断然いい。長く保つし、香りもいい。最近流行ってる」

 (ちなみに土付きのアンディーヴもときどき売られています。

私:わあ、先生、アンディーヴも土付きが!

テ:「ノン。それは要らない。煮たらどうせ色がきれいでなくなる。それに高い」

ふーん。土が付いてるからいいというものでもないようです。)

 

 

カボチャはこんなふうに襞ごとに切られています。あまりに大きいので、こう切るしかないかも。コールラビにbletteブレット(フダンソウ)、奥には尖ったキャベツ!

 

ここは馬肉屋さんboucherie chevaline

私たちがずらっと並んだので、店主はちょっとびっくり

テ:「興味深くてね..」

 

オリーヴ屋さん

 

私:「先生、これ何?」

テ:「茹でるとじゃがいもみたいな味」

生徒:「色はこのまま?」

テ:「ちょっと抜ける」

ふーん

Oca du Perouという名前のようですが、ブルターニュ産です。

食べてみればよかった・・。

 

生徒:「ほうれん草は日本では1株ずつなのに、フランスではどうして1本ずつで売る?」

テ:「茎が固いから。必ず茎を取ってから料理する」

そうです。葉を押さえて、茎を上に引き上げてはずします。

 

 

ここは先生が御用達の魚屋さん「Bourgeois」

すごい品揃えです。

テ:「この店は品質がいい。見てみなさい、込んでるのに、人がじっと順番を待っているだろう?」

なるほど。住んでいればあちこち食べ比べて質のよい店とそうでない店は分かるようになりますが、旅行で来て買うなら、こんなポイントでお店を見分ければよいのです。

 

 

 

ひめじrouget barbet

私がいつも使いたいと思っている美味しい魚です。日本にもいるにはいますが、注文できるほどにはいないのです。使いたい!

 

 

ラングスティンヌにエイ(身が厚い!)に、サーモン

 

平目barbue、桜鯛daurade roseにスズキbar

スズキに舌平目sole

 

わぁ、そういえばチューリップの季節でした! ゼラニウムもなんだかゴージャス。

 

じゃがいも屋さんには何種類も並びます。

 

ブランドじゃがいものノワールムティエLa noirmoutierは、フランス西部にある島の名前です。

ころころ小さいのに、味がしっかりとおいしいのです。

 

生徒:わあ、へんなお芋が!!

テ:白と赤のハイブリッド。

へぇ、へんなの。紫色のもあります。

 

 

テ:「ときどきここで、マダムにバラを買って帰る...」

あぁ、はいはい。

(ちっ、素敵!)

 

 

天然のサーモン

フランスで見る天然のサーモンは、ときどきあのサーモン色ではなくて、どよんとくすんだ黄色のことがあります。サーモンは元々はそんな色であって、餌であるオキアミの色でサーモンピンク色になる・・という話しがよく理解できます。

この個体はまずまず赤く見えます。

 

 

的鯛saint-pierre

この黒い斑紋は、聖ペテロ(サン・ピエール)がこの魚の口から貨幣を取り出した、指の跡とされています。

ブイヤベースには必須。日本にもいなくはないのですが少なくて、使いたいと思う魚の一つです。

 

こちらはシャルキュトリ「オ・コション・ローズ」

パリ市の賞を取ったジャンボン・ブラン(ロースハム)やらリエットやら、ブーダン・ノワールがあって、大好きなお店。ずっと定点観測をしています。

 

生徒:「これ何ですか! どこの部位?」

テ:「ハムだよ。豚の脛のところ」

生徒:「なんでこんな形?」

テ:仕込んで茹でてから、こんな形の型に入れて成形する。

生徒:へええ。家で焼くのですか?

テ:ノン。このまま食べる。

生徒:ええぇ、じゃあなんでパン粉??

テ:プレゼン

えええ、へんなの!

テ:このままピクニックに持っていて、ナイフで削いで食べたりする

へえぇ。ワイルド!

 

同じお店のお総菜はいつもとても美しく、おいしいのです。

ケーキのよう!

 

 

また出た、この魚! 

先生、何?

テ:ソーモネットsaumonetteという。サメの一種で、ムニエルにしたりする。

私:筒切りで?

テ:そう。

私:なんでソーモネット(サメなのに、サーモンを意味する言葉が入るから)??

テ:色がちょっと似てる。

なるほど。

 

 

メルランmerlanはタラの一種です

日本でもこんな可愛いサイズの鱈を売ってくれたら、いろいろ料理ができるのに! ほしい。

 

サバmaqureau

日本っぽいけど、フランスにもいます。

 

お肉屋さんもいっぱい

ウサギもとなりのブースに並んでいます。(写真はやめておきます)

 

わああ、美しいヒヤシンスにチューリップ!

クリスマスローズも日本とは少し趣が違うみたい。

 

 

チーズ屋さんBeillevaireベイユヴェールの店舗がありました。

 

巨大サイズのラギオールraguioleがありました。これはアトリエの授業用に持ち帰ります。

 

ゴーフルのお店がありました。リール出身のシェフが焼いているそうです。

リールあたりの地方菓子メルヴェイユーmerveilleux

 

楽しくて、ハアハアしてしまいます。

ちょっと寒い日だったのですが、この後みんなでカフェで少し温まり、お買い物をして、テリアン先生のお宅へ。

続きはまた明日。