なんだか言葉にしたい欲がぐわぁぁっと高まっております今日この頃。まぁ理由は明らかです。うーー、10代の脳が欲しいよー。

と言うことで、写真の整理を兼ねて、少し遡りますが、台湾で観た映画記録をまとめて。今年の春は本当によく映画を観ました。と行っても、行くのはほとんどご近所の同じ映画館。こじんまりしていて、とにかく人がいない、しかも映画の種類は豊富なのに、会員様一回800円弱っていう。そりゃ会員になりますよ。帰りに寄って一本観て、閉店ギリギリのチュロス店でカプチーノテイクアウトして、飲みながら帰るという日々がね、幸せでね。近くに映画館があるのって贅沢ですよ、ほんと。

ということで、1つずつざざっと好き放題いきますよ。

「スターリンの葬送狂騒曲」

旧ソビエトのスターリン暗殺事件を元にしたパロディ。本当のジャンルはなんなのかわからないけれど、パロディ、と呼んでいいと思う、これは。いやぁぁ、衝撃的でしたよ、例え表向きはフィクションと言え、ここまで当時の状況や政治家達をこき下ろしていいのかと思う。現に祖国では上演中止になったそうです。まぁ、だろうな。が、しかし、これね、最高です、傑作だと思う。作り手の想像とは言え、政治家達の心の声がダダ漏れており、その上描写は異常にリアルだから、そのギャップがシュールなんてもんじゃない。棺担ぎながら話してる内容とか、映画だからって、こんなことやっちやっていいの?って言う。でも国家のトップが急に亡くなったら、二重にも三重にも包囲網が張られる中で、そりゃ恐ろしい量の思惑が飛び交うもんでしょう。しかもそう言う中のぐちゃぐちゃを見たいのが人の性。からりと映画にしてしまった製作者の方達、あっぱれです。是非ご覧あれ。

「the music of silence」

邦題そのまま。盲目のテノール歌手、アンドレアボッチェリの自伝小説を元に、彼の半生を映画化したもの。私何も知らずにタイトルだけで観に行こうと思い、丁度一緒にいた友人に話したら、彼女がなんとかボチェリの大ファンで台北に来た時コンサートに行ったんですって。あら奇遇、ってなことでご一緒に。類稀なる才能に恵まれていても、トントン拍子なんてわけはなく、何度も挫折し、一度キャリアを諦め、そこから這い上がっての今。なんだろか、正直何がいい、とうまく説明できないのです。人間誰しも強いわけではなく、誰もが心が潰れそうになりながらも、それでも起き上がり、自分の道を築いていくものなのでしょう。ね、言葉にすると月並みな感想になってしまう。ただなんだか死ぬほど泣けました。タイミングがね色々合わさったこともあり…ってこれ以上センチメンタルになりたくないので茶化しちゃうと、最後に出てくるご本人の写真や生歌やら、色っぽ過ぎて震えます。声の力に加えて、笑顔がね、やばいんだわ。私ころっといくな、自信ある。

「Love, Simon」

中国語タイトル訳すと親愛なる初恋、かしら、なんか違うな。学園モノでも、LGBTの話、増えましたね。カミングアウト、性への理解、シンパシーから恋心へ揺れ動きながら変化していく様子が、思春期ならではの目線で爽やかに描かれています。だから問題提起というより、本当に純愛ストーリーという感じ。これもよく見る傾向だけれど、性の趣向よりも「人として」の生き方を選んでいく流れ、すとんと入って来やすい軽さで観られます。私の大好きなJennifer Garnerの温かい母っぷりは鉄板だけれど、今作で初めて知ったKeiynan Lonsdaleの柔らかい物腰、それはそれは美しかった。新しい若い素敵な役者さんを見つけるとウキウキするわよね。ふふふ。おばちゃんの楽しみ。


「ジャコメッティ、最後の肖像」

こちらは以前ブログで書きました。ご参照あれ。



「Tully-タリーと私の秘密の時間-」
母としての苦悩を描いたシャリーズセロンの主演作。途中からなんとなく展開は読めたけれど、それでもあの危なっかしいにとほどがあるマーロの動向は見ていてハラハラした。人に頼らない、って責任感強そうに見えるけれど、実はものすごく大きな弱点だと私は思っていて。まぁ、実際私がそういうタイプだったからなんですが、自分の世界でしか物事が見えなくなっちゃうんですよね。それってすごく損だし、何より危ない、精神衛生上。あのスーパーボディーのシャリーズが、モンスターの時ばりに増量して、神経ギリギリの人を怪演。ご本人この作品の間、鬱になったそう。いや、なるよね、これは…。壮絶でした。果敢な勇気と、腹のすわった役者魂に脱帽。


「Victoria and Abdul」

ごめんなさい、権利の関係でお見せできませんが…宜蘭の青空ならぬ夜空映画会で観たビクトリアとアブダル。ビクトリア女王と、執事から家庭教師、後には側近にまで上り詰めたインド人お話。その彼に差別意識をむき出しにし、女王の寵愛を面白く思わない王子、そして周りの高級官僚たちとの確執と、2人の親子のような絆の温度差。これ実話だったんだなぁ、その上史実が発見されたのはごく最近。女王の死後、存在そのものを抹消されていたのでしょう。インドが英国統治下に置かれていた時代ですから、無きにしも非ず。ビクトリア女王のジュディ・ディンチ。がつがつ食べてさっさと終わらせようとする晩餐会での鋼鉄の女王から一変、アブダルに出会い、人間、と言うより少女のように愛らしくなっていく姿がね、胸を抉るようで。寂しかってんだなぁ、この人。1人の人間として扱って欲しかったんだなぁ、と思った。ラストシーンがなんとも言えず好きでした。またこの映画会の空間が良くてね、上には満天の星。隣で観ていた友達と、見終えた後しばらく声が出なかった。贅沢な時間でした。

「血観音」

昨年の金馬賞の作品賞と助演女優賞受賞作。こぇぇぇ…。女ってこぇぇぇ…。これが第一の感想。母娘と言えど、女と女。その三代にわたる確執たるや恐ろしい。まぁ何を希望というのか最早わかりませんが、絡まりに絡まった因縁さえも踏み潰し、踏み潰され、それでも生きていく女という生き物はどこまでもたくましい。私ね、昭和って、戦前戦後も、どこか血生臭い匂いに性が絡んでる気がするのです。大戦の残り香なのかわからないけれど。当たり前に傷ついた人達が、あれやこれや飾り立てて、ドロドロしたものを表面上は隠そうする。でも隠しきれないところに滲み出る美学って言うんでしょうか。伝わります?このキワキワの昭和感。ってもう平成も終わるんだけど。狂言回しの女性が、ストーリーの全てを体に背負いながらも独特な距離感を保っているのが面白かった。少女、というべきか…とにかく文淇、圧巻です。

七月と安生」

インスタでも書いたので、割愛しますが、もう一回同じことが言いたい。何がすごいって周冬雨…周冬雨が…この人なんなんだろうか。やっぱりすごい、半端なくすごい。どれだけ頑張って何をどうしても、彼女のようには一生なれないだろうな、と思う。でも出演するたびにチェックして映画館に足を運んでしまう。まぁ謂わば、追っかけってやつですね。次は何やってくれるのかなぁ。

七月と安生、おもてなし、ジュラシックワールド、アベンジャーズ、オーシャンズ8、はよろしければインスタをご覧くださいませ。

映画の人生も、実人生と、七転び八起き。転んだはいいが、ただじゃ起き上がらない人間が先をいくってなもんで。

強く生きようぜ。