今回から「スマホ版」で
で書いてみました。
邪(よこしま)な恋に身をやつす大方の中高
年男性は、憂鬱な日々を送っているに違いな
い。家に居てもすることはないし、だからと
言って子供たちもそれなりの年齢に逹し父親
と一緒に出掛けたいなんて思ってもいないし
妻は妻で勝手に好きな趣味に興じているのが
現実だ。
男は、不倫相手から頻繁に入る「会いたい」
メールや、LINEで気持ちは穏やかではない。
実際、昨日のラブホ・デートの帰りに「また
来週も会ってくれるんでしょ」と念を押され
ただでさえ若い彼女の激しい求めに応じて
ヘトヘトな身に彼女の言葉は突き刺さるよう
に痛かった。
友人の医師に聞いたら、人間には、繁殖期や
発情期といったものはないが気候的に春から
初夏にかけては、暑すぎず寒すぎないために
女性の性欲は盛んになりセックスには最適な
体調になるらしい。
また、個人差はあるが、男は、暖かくなるに
つれて精子の運動率が活発になり、男性ホル
モンの分泌量も紫外線の強さによって多く
なる。
つまり、男も女も夏に向けて性的欲求は絶好
調になるらしい。
だから、この連休中は、女はどんどん男を誘
ってくるし男は男では男性ホルモンの分泌量
が増えるので会いたくて、したくて、尋常な
精神状態でいられないという。
互いに独身なら問題はないが、どちらかが
或いは、両方が既婚者の場合は、性欲が
強まっているこの時期に、家庭に縛られる
ことで「不倫の五月病」になるらしい。
一番ストレスになるのは、家族として別段に
予定もないのに、自分が出かけようとすると
必ず「どこへ行くの」と妻が聞いてくること
だ。だから痛くもない腹を探られる、イヤ
大いに痛い腹を探ぐられるので男はせっかく
の休みなのに一人で外出などできはしない。
まさに「座敷牢」にとじ込まれた感がある。
通常の土日ならばゴルフや休日出勤で誤魔化
せてもこの連休では妻は絶対にどこか違和感
を持つことは間違いない。
不埒なおじさんは、相手が独身の女性なら
なかなか会えないこの時期に不倫から醒めて
「貴方は、私が側に居てほしい時に、いつも
側に居てくれないよね」と言い捨てて独身男
に走ってしまうのではないかと心配でしよう
がないのだ。
せめて相手が独身男性ならまだ諦めもつくが
他の「変なおじさん」に取られたヒニャは目
も当てられない。
相手が既婚の女なら「今なにをしているか」
と家庭内の様子を想像し、気になってしよう
がない。
男の根源的な業である優柔不断さ、嫉妬深さ
しつこさ、未練がましさ、ずるさ等々つまり
己の「めめしさ」と否応なしに向きあうこと
になる。自分がむしょうに、無様(ぶざま)に
思えて耐え難い。
ふっと己の無様さに気が付き、男はこんな惨
めで、苦しい思いをするくらいなら「別れて
もいいかな」と脳裏をかすめることもないで
はない。
自分もお明らかに、「変なおじさん」になって
いることに気がついて愕然とする。
ゴールデン・ウイーク中の男は妻にバレバレ
の嘘をついてまで彼女の元へ行ける程の胆力
も気力も残念ながら持ち合わせてはいない。
タダの小心者で、座敷牢に閉じ込められた
変なおじさんなのだ。
できることはただ一つ、トイレの中にスマホ
をそっと持ち込んで、こそこそと貴女に返事
を書くことだけなのである。
世の不埒な男どもに代わって、心よりお詫び
申し上げます。






・倫太郎の 美味礼讃・



