「食べる野菜 X 食べない野菜」続きです。
小野さん:スーパーの人は、野菜も工業感覚である。野菜より果物が問題。果物は、育てるのに数年かかる。
必ずしも農薬だめ、オーガニックが最高だとは思っていない。
日本の有機農業のレベルは思っているより高くない。有機肥料の微生物の分解速度が分からないので、使いすぎてかえって水質汚染を招くケースが頻発している。
大根などに土を付けたままにこだわるひとがいるが、消費者の立場を考えれはそれが最善なのだろうか?また、きゅうりは曲がっている方がいいと言う人もいる。「し」くらいの曲がり方ならOKだが、「つ」まで曲がると美味しくなくなる。
農業の業界には謎のルールがたくさんある。野菜は走り、旬、なごりがある。日焼け果は売れないが、見栄えが悪いだけで、お日様に当たっていた分だけ味が濃く、美味しい。
オクラは8cmでないと売れないが、これは慣行農業でそれ以上の大きさだと筋張って美味しくないから。オーガニックならば12cmくらいが美味しい。
市場やスーパーの人とぶつからないように迂回しながら商売している。
池内さん:この近くにタオルショップがあるが、IKEUCHI ORGANICのタオルを置くと面倒なことが起きるので、置かないようにしているようだ。
IKEUCHI ORGANICは今治タオルの認証を受けているが、今治タオルのタグはポリエステルなので使わない。そうすると、なぜIKEUCHI ORGANICのタオルにはタグが付いていないのとお店で聞くお客様がいて、説明する方も対応に苦慮する。
今、認証を取りながらもタグを付けていないのはルール違反と言う話が出てきている。
そのうちオーガニックコットンでできたタグを作ってくれるのではないかと期待している。
Q&A:どのような水を使っていますか、また処理はどうしていますか?
池内さん:オーガニックコットンの畑には灌漑用水はないので雨水で育てている。
工場排水だが、瀬戸内海の水質基準は厳しい。
染色工場の排水は、バクテリアを使って分解している。
生産に使う四国山脈の水は、大正の初めくらいのものだと推定されている。水をリサイクルして永久に使えればいいが、今はまだそこまでできていない。
小野さん:自社農場までは水やりしない天水農業である。
新規就農者が農業を始めるのは不便で人気のない場所。つまり、山奥で水がきれいなところが多く、美味しい野菜が採れる。
農業には、地域全体をよくするアクションが求められている。
奥山と里山と言う分類がある。奥山はひとがあまり立ち入らない山奥で、自然薯やキノコが採れる。里山には、林、採草地、畑、田んぼなどがある。今、マツタケを作るプロジェクトがあり、それが実現すると山に皆が入るようになって山が再生するかもしれない。
Q&A:講演会などで、理解はしてもらえますか?
小野さん:呼ばれる時でも、盛り上がる会と盛り上がらない会がある。お役人さんに呼ばれて行くと、慣行農業の人ばかりで全く盛り上がらない。先日、ある村に行って講演したら、そのやり方はうまくいかないと主張するひとがいた。私が実際にやっているのに。名刺交換したら、その村の村長さんだった。
若い人のところでしゃべると盛り上がるが、売上には貢献しないのが悩みである。
店舗はちょっとずつ赤字。ただ、偶然の出会いはネットにはない。店舗にはそれがあるので、店を閉める気はない。
京都のお客様は値段に厳しい。うちの値付けが間違っていると思い、あの店はいくらで売っていたといちいち教えてくださる方がいる。その方も味が違うことが段々分かって来て、お友達を連れてきたりと言うのにつながる。より多くの人に知ってもらうために、店舗をやっている
池内さん:(ここで阿部社長を紹介)
社長を譲ったので、講演をしてまわっている。しかし、今治ではしたことがなかった。今治のひとは、タオルとみかんは買うものでないと思っている。
先週、はじめて講演したが、業界のひとは一人もいなかった。
去年は、長崎の中学生と長野の高校生が会社に来てくれた。高校生に、将来的IKEUCHI ORGANICで働きたいと言われた。
小学生に来てほしいと思っていたら、2週間前に出身校の小学校から98人来てくれた。子どもたちを6チームに分けて、織機に触れてもらった。社内からは、危ないから触らせるのには反対と言う意見もあったが。その後、その時の小学生全員から感想文が来た。
思いはしゃべらないと伝わらないと実感した。
大室さん:しゃべらないと伝わらないのは、確か。今、社会に優しい企業マップを作成中で、九州によく行くが、阿蘇の事があり皆危機感を持っている。
それぞれの東京店の店長から、クロスで質問をお願いします。
IKEUCHI ORGANIC東京ストアの店長から、坂ノ途中の小野さんへ:仕事している中で.嬉しい瞬間は?
小野さん:仕事を楽しんでは出来ない性分なので、楽しんでいる時間は5%くらい。
野菜は生き物なので、長雨のあとは水っぽくなったり難しいが、瞬間的に美味しいものが出来ることもある。その喜びを他の社員と共有できるのが楽しみ。
今社員は40人いるが、野菜に比べて人の成長は遅く、イライラする。それでも、何かの拍子に一段登ったのが分かると嬉しい。
昔から、いやいや働いている人と働くのは嫌だった。
子どもの時に、大人たちが一生懸命生きていないのが分かった。だから、大人からは評判が悪かった。
これからも前向きに働きたい。
坂ノ途中東京店の店長から、IKEUCHI ORGANICの池内さんへ:坂ノ途中は、8月に東京に2店舗目が出来たばかり。野菜の値段が他の店とは違う。IKEUCHI ORGANICのタオルもそうだと思う。違いをアピール出来る点は?
池内さん:タオルは元々OEMしかなかった。最初はフェンディなどを手掛けた。
IKTは17年前にしまなみ街道が出来た時に物産館で売るために作ったブランド。その当時、バーバリーは2,000円だった。一方、IKTは3,200円。売れるのかと思ったが、お客様がカタログ見て選んでくれるので、大正解だった。この値段でも、世の中のオーガニックに比べると桁違いに安い。
オーガニックの732が好きな女性は多い。
タオルも使う旬があるようだ。
大室さん:プライドを持って高く売るのが大切。
小野さん:野菜も旬があり、旬の野菜は香りがいい。その香りを感じてほしい。これは植物工場では絶対できないこと。
糖度競争には追いつけないが。
お米炊いている匂いがいい。
池内さん:小野さんに前回会った時は、坂ノ途中の野菜を食べ始めたばかりだった。先日届いた野菜の中では、特に枝豆が美味しい。
小野さん:それは黒枝豆で、黒豆の若どりである。段々コクが出てくる。そういう変化を楽しんでほしい。
お試しセットは赤字だが、6回食べた人はほぼ継続して買ってくださる。
池内さんのタオルは、何回使ってもへたらない。
畑に行くと微生物が多いかどうか分かるが、それと同じ。
池内さん:肌荒れしやすい体質だが、坂ノ途中のお蔭か、最近ツヤツヤである。
小野さん:坂ノ途中が取り扱っているシアバターの木は、ウガンダのもの。
日本に入ってきているシアバターは、西アフリカのが多いが、ウガンダのものとは違う。ウガンダのものは融点が低い。使い心地はよいが、溶けやすいので、夏場はクールで送る。
坂ノ途中がIKEUCHI ORGANICとコラボしたセットが2つあるのでぜひご検討ください。
坂ノ途中がIKEUCHI ORGANICとコラボしたセットが2つあるのでぜひご検討ください。
食べる野菜X食べない野菜セット
ベビーセット
対談終了後は、坂ノ途中の野菜の即売会もありました。
野菜数種とごま油とシアバターを購入。
11/17のボジョレーヌーボー解禁日には、IKEUCHI ORGANICでコットンヌーボーのお披露目があります。
