水島武道館の前に川が流れている。正確には掘割?とでも呼ぶのだろうが、私は川で通している。それのほうが歌にも詠みやすい。川は現在も流れているが、そのほとりに、ご近所の人たちが割り当てられて花を植えている。画像。

 

 実は、むかしむかし、そのむかし、この川辺に桜を植えたおとこがいた。男は、杖道に入門したその記念に、植えたのであった。男は植えた桜のほとりに、立て札を立てた。立て札には、歌をしたためた。

 

         剣の道 人間の道 杖の道

           わが行く道に咲け さくら花

 

 男は 植えた桜に、毎日、水を飲ませた。下を流れる川の水をバケツで汲み上げて飲ませた。

休館の日は、わざわざ足を運び、水を汲み上げては飲ませた。

 月日は流れた。男は、順調に昇段していった。しかし、桜はほどなく枯れた。男も老いた。

 

 

                                   わが植えし川辺の桜枯れたれど

                                    植えし男は剣を捨てざり