「俺になんかあったとき、少ない財産だけどもらってくれないか」
簡単にいうとそういうお話でした。
おさらい。
私とレノさんはマッチングアプリで知り合いました。初めて会ったその時に「俺の彼女として付き合ってください」と言われて付き合い始めました。令和4年の3月のことです。あれから15か月過ぎましたが、私の気持ちは恋愛モードではないままです。レノさんは、毎週手を繋いでデートすることを生き甲斐にしています。
50代独り身同士のお付き合いです。
ここのところ、レノさんは東京大阪間を何往復もしていて疲弊しています。
仕事の出張やリモートワーク、在宅勤務をはさみながら、家族会議親戚会議そして医師やケースワーカーとの相談、施設の見学と契約と入所。
そう、老親問題です。
母親に成年後見人をつけるか家族信託するかで、レノさんが管財人になることにしたそうです。司法書士を頼りながら親の金融資産の管財人手続と自宅の名義変更を進める中で、司法書士に「あなたに何かあった時に、だれに資産を引き継ぐのかきめてください」と言われたらしい。
で、「俺になんかあったとき、少ない財産だけどもらってくれないか」という話を私にしたということ。
「おさらい」に書いたとおり、私には結婚の意思はありませんし、恋愛モードもない。
どうする?
この日は夕方に待ち合わせをしてすぐにチェックインしました。
昭和エレガンスの気品を残すラウンジがある、古いけどちょっと格上のホテルで二週間ぶりに会って、その間にあったことをレノさんは、全部話しました。
レノさんは日ごろから、よくしゃべりますが話すことが得意で、要領よく話す人です。要点を整理してから私に伝えるべきことをまとめて、今日ここで話そうって決めてきたのだと思います。
もし、若い二人だったらプロポーズだったと思います。
でも、私は結婚願望がない。それは、普段から一緒に暮らすとしたらという話題になるたびに否定していたので、レノさんはよくわかっています。
レノさん自身も長年の一人暮らしが染みついていて、一人で暮らす自由を今更変えることができないと、自覚しています。
だから、一緒に暮らそうとか、結婚しようとか、そういう話ではないのですが、レノさんは日頃から「何かあったら助け合う間柄」というポジションに私を置いています。
そういう二人の関係の中で最上級の意思表示が「俺になんかあったとき、少ない財産だけどもらってくれないか」という話だったのだと思います。
司法書士に伝えるということは、法的効力のある相続人として記録されるということです。
久しぶりに来てみたけど、ここのビュッフェは変わらず美味しいしボリューム満点だし、ホテルサービスも素晴らしい✨🥰
ロビーやエントランスの生け込みも美しくて、ワクワクしちゃいます。
あ、レノさんのお話ですが、
秒でお断りしました。


