彼の知人から聞いた話。
キャバクラに行ったら「かっこいい」「イケメン」「素敵」等、女の子達からチヤホヤされた。
その快感から抜け出せずキャバクラ通いをしていた過去があると。
過去の話とはいえ、キャバクラのお姉さん達の営業トークを真に受ける人っているんだ。とドン引きした。
女性と交際歴がないとか、免疫がない人ならまだ分かる。
それなりに恋愛経験も交際歴も豊富だった彼が、まさかのキャバクラにハマっていただなんて驚きもしたが、チヤホヤされた事が嬉しかったんだろうな。と思うと妙に納得できた。
とにかく自分を褒めてくれる人が大好きな彼。
行きつけの居酒屋の一つに、口の上手い若い店主さん(30歳)がいる店がある。
彼が初めてそのお店を訪れた時、
「こんなに才能溢れた、道の開けた人に出会ったのは初めてだ」
とその店主さんに言われたそうだ。
もちろんこのエピソードは、彼から過去の自慢話の一つとして何度も武勇伝の如く聞かされた。
私もそのお店に何度か行った事があるので、その店主さんとは顔見知りだ。
さすが接客業のプロとでも言おうか。
店主さんは人の性質を瞬時に見分け、分析するのがとても上手い。
この人はこういうタイプだからこんな話題を。
この人にはこんな話題を。
と人によって的確に話題を振り、時には自虐ネタを披露しながらも笑いを取ったり。
その話術や、話のネタの引き出しの多さに脱帽する勢いだ。
この若さでこの話のうまさ。店主さんの人柄でお客さんが来ているんじゃないだろうか。
こういう人がバラエティ番組でMCをするような芸能人になるんだろうな、と思った。
それくらい、とても話の上手い人だ。
まさに、豚もおだてりゃなんちゃらで。
店主さんは、彼の性質を確実に見抜いていた。
地位のある人、尊敬する人に頼られると有頂天になって張り切るタイプの彼。
・お店のPR用の写真をお願いしてみたり
・定期的に開くDJイベントに声をかけて写真係をやらせたり…していた(笑)
本人は「俺はあの店主さんから一目置かれているから写真係を頼まれてー」
と鼻息荒く語っているのだが、私は
扱い易い客の1人として使われているようにしか思えなかった。
(写真係としてイベントに呼ばれたのに、しっかりイベント参加料は払わされている点とか)
それでも、最後は花を持たせてくれる気遣いの出来る店主さん。
写真係の彼を紹介し舞台に上げてあげた。
注目と喝采を浴び、とても嬉しそうな彼。
しばらくはとても上機嫌で興奮状態が収まらなかった。
「豚もおだてりゃ木に登る」
なんて言葉じゃ、なにか足りない。
「彼をおだてりゃ空も飛べる」
これだ!と思って、1人ニヤニヤしてしまった。