いつものように目が覚めた6:00a.m.。

 

 

 

夕べは2時を回っていたのに、愛犬の散歩が待っていると思うといつも決まった時間に目が覚める。

 

 

 

起きる前に一度、布団の中で伸びをして、おもむろに起きながら時計に目をやる。

 

 

 

隣に寝ている子どもを起こさないようにそーっと布団から抜け出すのが毎日の流れだ。

 

 

 

でも今日は少し様子が違っていた。

 

 

 

見慣れた腕が見えたのだ。

 

 

 

「ん?この腕・・・夫君!帰って来たの???」

 

 

 

テニスをしていた夫は、右手の腕の筋肉が発達していて太いのだ。

 

 

 

寝ていても、触れるとすぐにわかる夫の腕。

 

 

 

「あーーー!(あくび)まめた(愛犬)に久しぶりに行こうかな音譜

 

 

 

そういって起きた夫。

 

 

 

一度背伸びをして、寝ぐせを気にしながら布団から抜け出すと

 

 

 

夫)「俺の携帯ある?」
私)「ううん。今ね、U(下の子)が使ってる」

夫)「あ、そっか。U、携帯壊した?笑」

私)「うん。落として画面が真っ暗!」

 

 

 

そんな会話をしながらハーネスを着けたり、うんちの袋を補充して散歩の準備をした。

 

 

 

夫はヘビーJ-waverなので、散歩中も必ずラジオを聴く。

 

 

 

以前、タクシーに乗った時、どうしても聞きたい番組があってタクシーの運転手さんにJ-waveにしてもらったことがある。

 

 

 

「ごめんなさいね、わがまま言って」

 

 

 

という私に、運転手さんは「良いんですよ。時々リクエストされますよ」と言ってくれた。

 

 

 

「そういえば、前に男性もJ-waveを指定されましたよ。良い番組ですよね」

 

 

 

そんな会話をしながら岐路に着いたことがある。

 

 

 

タクシーを降りて家に帰ってこの話をしたら、夫もタクシーでJ-waveを指定したことがあったらしい・・・

 

 

 

たぶん、運転手さんが言っていた男性って、夫だわ。

 

 

 

夫婦そろって、J-waverウインク

 

 

 

玄関まではわたしが散歩グッズをもって、散歩に行く夫を見送る。

 

 

 

玄関のドアを開けるまえに夫に聞いてみた。

 

 

 

「でも、どうやって帰って来たの?」

 

 

 

それはまるで単身赴任で月に1回しか帰ってこなかったのに、突発的な会議のために東京に戻った時に似ていたから。

 

 

 

「わからない。分からないけど、何かと何かが合った時、こっちに帰れるんだよ」

 

 

 

そう言って笑いながら夫は愛犬を連れて散歩に行った。

 

 

 

わたしたち家族が住み慣れた横浜じゃない、ここは東京。

 

 

 

彼はこの家に住んだことはないはずなのに。ちゃんと散歩に行けるかな。

 

 

 

行けるか。大人だもんな。

 

 

 

ま、いっか。

 

 

 

横浜の時と同様に、きっとまめたを見た犬友だちが話かけてくれるはず。

 

 

 

そんなことを想いながら、わたしは夫のためにコーヒーを淹れる。

 

 

 

「あ、そうだ。せっかく帰って来てるから、お義姉さんにも連絡しとこ!」

 

 

 

そう思って、LINEを開いたところで、わたしの目も開いた・・・

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・夢だった泣

 

 

 

夢にしてはあまりにもリアルな夢。

 

 

 

「何かと何かが合った時、こっちに帰って来れる」

 

 

 

そう、夫は言っていた。

 

 

 

昨日の夜寝る時、夫に「夢で良いから会いに来て!」と念じていたのが、その「何か」なのか。

 

 

 

もうひとつの「何か」は夫も「帰りたい」と思うことなのだろうか・・・。

 

 

 

分からないけど、夫の太い右腕に触れ、夫と何気ない会話を楽しんだ。

 

 

 

愛犬は夫とは出かけておらず、相変わらずわたしの足元で丸まっていたけど、間違いなくわたしは夫と話をした。

 

 

 

嬉しかった。