3月3日(土)

 

早朝からどうしても行って見たかった所に行き、どうしても食べたかった朝食をとる。

ここだけは絶対に行きたいと思っていた場所だ。

おかげで元気が出た。

いや、どこかは言わないが、わたしのテンションが上がる場所だ。

いずれ分かるでしょう。


で、朝10時からから張り切って仕事。

メールをひとつ送るのもなかなか時間がかかる。

何せ、英語なんで…

いや時間はかかるけど頑張れば行ける。頑張れ。

とまあ、それなりにきちんと。

 

…いや違う。

暴露する。

事件は、早朝の時点で起こっていた。

ゲストハウスの玄関横の棚に何気なく鍵を置いて外に出たのだ。

そしてドアが閉まった瞬間に気がついた。


あ、鍵!


オートロックなのだ。

ゲストハウス入口のドアも部屋もオートロックなのだ。

ああ、なんでだ。

なんでわたしはこんなにダメなんだ。

まだ管理室の開く時間じゃないし。

で、朝食からの帰宅後、玄関ごしに管理人さんと話し、ドアを開けて貰うという始末。

安定のダメさ。

 

昼からは気を取り直して、情報交換のため、お世話になっているAさんのご自宅に向かう。

途中時間があったのでビッグベンを観ようと寄ってみたのだが見事に工事中。残念。


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Aさんのご自宅は閑静な住宅街。

そこで同じ海外研修で一年来ている照明家Sさんとご挨拶。

メールでしかやり取りしたことなかったのだが、Sさんはとてもかっこいい(女性)。

さらにこちらで活躍する日本人の女優さんであるMさんにも会い、情報交換。

Aさんのネットワークの広さにはただただ感心するばかりだ。

 

夜、とうとう初めての観劇。

St Martins Theatre。

アガサ・クリスティーの小説を舞台化し、物凄くロングランをしている舞台『The Mousetrap』。

昔からのクリスティーファンとしてまずこの舞台から、という気持ちだった。


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こちらは始まる前にみんなけっこう劇場内のバーで飲んでいる。

いや逆にね、日本がそういうの少なくておかしいのかもしれないと思うんですよ。

それはまぁ、大きな声では言いませんけどね。

だからわたしもバーに寄って、飲みましたよ。

カプチーノを。

芝居はコミカルな所もありつつ、後半の謎解きはもちろん読んでいるから犯人を知っていたのだが、それでも楽しめた。

気持ちよく外に出ると、夜のウエスト・エンドは劇場の明かりで華やか。

改めて演劇の街に来たのだなぁと感じる。

 

3月4日(日)

 

昨日Sさんがチケットを取ってくれて、アリーナの立ち見で『ジュリアス・シーザー』を安く観られることになった。

 

アリーナの立ち見?

 

どういうことか分からなかったのだが、とりあえずロンドンブリッジステーションにある、Bridge Theatreに向かう。

タワーブリッジの真向かいにある新しい劇場だ。

写真でしか観たことのなかったタワーブリッジ、とても素敵だった。


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Sさんと昨日話した女優のMさん、そして演劇関係のところに就職前に旅行に来ているYさんと女性ばかり4人で入っていくと、とにかく荷物を預けたほうがいい、と強く言われる。

なんだかベリーホットになるらしい。

わたしは慌てて、母親からこれだけは絶対に手放すなと言われたものだけを身体にしっかりと身につけ、他の荷物と上着を預けた。

 

そして理解した。

アリーナの立ち見。

 

中から聴こえる激しい歌声。

入ると、客入れ中のそこは…ライブ会場だった。

本当の客席はちゃんと周りにある、しかもちょっと高みに。

つまりわたしたちが入ったのは…舞台の中。

セリが出ていてそのうえで激しいロックを歌っているひとびと。

その周りをわらわらと囲み、見上げるアリーナ立ち見客。

なるほど最後までこのままで観ろと、そういうことか。いや立つくらいは平気だよ。

そう思ったのは甘かった。

上演が開始するとセリがどんどん形を変える。

そのたびにいつの間にかいる芸達者な係のひとに誘導されるパターン。面白い。

でもとりわけ良かったことがある。

あのベン・ウィショーを物凄い近距離で観られたこと。

セリの出方によってはすぐ目の前にベン・ウィショー。

たまに思いもよらないとこから群衆(わたしたち)をかき分けて出て来るベン・ウィショー。

ブルータス素敵だったよベン・ウィショー。

とにかくわたしたちは終始、翻弄される【群衆役】だった。

 

その後、帰り道がたまたま一緒だったSさんとごはんを食べる。

Sさんの行きつけのお店。

ロンドンの食事、全然まずくない。

むしろ美味しい。


あれ。わたしロンドンでやっていけるかも。


そう思ったその瞬間から、油断という名の魔物が現れるのだと、どうして誰も教えてくれなかったのか。

教えてくれないな。