無事に卵管造影検査も終えたことだし、ぼちぼち夫と話し合いを開始しなければ…!!
そう思ったあくる日、夫から悪い報せがありました。
夫「父の具合が悪くなった……」
義父は容態が安定し、またこれ以上治療できることも無いために退院し、家に戻っていました。
調子がいい訳では無かったけど、そこそこゆったりとした時間を過ごしていましたが、私がまさに検査の日、熱を出してしまい即入院になってしまったそうなのです。
義父はもちろん、私は妙に昂っている夫も心配でした。
検査から数日、私は1人で義父のお見舞いに行くことにしました。
1人でお見舞いに行くのは初めてだったので、義父は驚いたようでした。
義父「1人で来たの!?わざわざいいのに…忙しかったでしょう?」
私「いやいや全然です。ちょっとお義父さんの顔見たかったので…。差し入れ持ってきました!!」
基本何を食べてもいいと聴いていたし、義父はお酒が飲みたいと再三口にしていたので缶詰めの焼き鳥と、ノンアルコールビールと、シュークリームを持っていきました。←変な差し入れ…ノンアルコールビールはお見舞いとしてどうなんだとかなり迷ったけど
義父はノンアルコールビールを見てケラケラと笑っていました。
義父「気ぃ遣わせたね…」
いつものように優しく声をかけてくれました。
義父は夫と2人で行くときよりずっとたくさん話してくれました。
義母とのなれ初めや夫の小さい頃の話…
普段は無口な義父が別人のようです。
逆に気を遣わせてしまったな…
たくさんおしゃべりして疲れた様子の義父を見て、少し申し訳ない気持ちになりました。
すると看護師さんが点滴を替えに来てくれました。
義父「今日はうちの娘が来てくれたんだよ!!」
義父が私を娘だと、はっきり言ったのは初めてのことでした。
私はなんだかむず痒く、照れくさい気持ちになりました。
義父「今日はゆきが来てくれて、本当に嬉しかった。ありがとう。」
義父が私を「ゆき」と呼び捨てにしたのも初めてのことでした。
義父にとって、私はもうすっかり娘なんだ…
1人でお見舞いに行ったのを夫に話すと、夫も目を丸くしていました。
夫「よく1人で行く気になったね!!」
私「だってお義父さんだし…」
夫「悪かったね…」
私「なんで悪いなんて言うの?私も娘だもん」
夫「父はさ、女の子が欲しかったらしくて、ゆきが娘になってくれて本当に嬉しかったみたいだよ。ゆきがお見舞いに来てくれて、すごく喜んだんじゃないかな」
私は周りが何と言おうが、自分に全く自信が持てません。
若いくせに生理すら来なくなり、子どもを産めず、情けない存在なんだと思わない日はありません。
こんな私をありがたいと、嬉しいと思ってくれている義父…
私は義父のためにできることは、精いっぱいしたいと強く思いました。