子宮外妊娠の手術をしてから半年、手術をした病院で卵管造影検査をする日が来ました。
今通っている婦人科からは「うちでやるからキャンセルしちゃいなさい」と言われていたけど…
今の病院には何も言わず、地元の病院で検査を受けることに決めたのです。
今の婦人科に内緒にしている後ろめたさと同時に、私はもうひとつ迷っていることがありました。
夫に同行をお願いするかどうか……
検査の日は夫は夜勤明けなので、私が病院まで運転すればついてきてもらうことは可能です。
でも…………
いっそのこと、もし卵管が通っていたとしても「通っていなかった、頼むから体外受精に協力してくれ」と私が涙ながらに訴えたら夫はどうするだろう、と考えが浮かびました。
さすがに同意してくれるんじゃないか、いやでももし同意してくれなかったら……
「やっぱり通ってました笑」なんて言えるわけ無いし…
直前まで迷いましたが、結局夫に同行をお願いすることにしました。
私「検査なんだけど、やっぱり私不安で仕方ないからついてきてほしいんだ」
夫「わかった」
夫はほっとしたような顔をしました。
夫「1人で行かせるの嫌だったから…でもゆきは1人で行きたいのかなと思ってたから。ゆきが頼んでくれて良かった」
笑顔で話す夫を見て、私はこの無邪気に私をいとおしく思ってくれる夫を騙そうとしていたんだと、また罪悪感に震えました。
前日は夫もいないし、またあの死ぬほどの痛みと、恐ろしい検査結果を聞かなくてはいけないかもしれない恐怖でなかなか寝つけませんでした。
私が検査を受ける病院まで片道車で二時間かかります。
寝なきゃ、寝なきゃと思っても眠れるものではありませんでした。
そしてとうとう当日、私は気もそぞろに部屋の掃除をしていました。
やがて夫が帰ってきました。いつもより早い帰宅です。
検査の時間まではまだかなり余裕があったけど、出かけることにしました。
私は既に用意していた鞄の中に、サブちゃんを押し込みました。
私は運転している間無言でした。
緊張して怖くて、何も話す気にはなれません。
夫も起きているのに、何も話しません。
ようやく病院に着きましたが、まだ時間には早すぎるので車の中で待つことにしました。
ドキドキしていると
夫「かあちゃーん、かあちゃーん、俺のこと忘れてないか?」
とサブちゃんを私の手の上に乗せました。
サブちゃんは検査とは全く関係ないことをたくさん話してくれて、私を和ませてくれました。
いよいよ検査の時間です。
私たちは病院に向かいました。