東日本大震災に端を発した福島原発事故から6年。
世界に衝撃を与えたこの事件を受けて、ドイツのエネルギー政策は大きく舵を取ることになり、2050年までに原子力エネルギーを2割に抑えるという目標を明確にし、再生可能エネルギーへ代替を進めることを各分野で進めています。
建築でもその流れは顕著に出ており、国内各地にエネルギーを生み出す「プラスエネルギー」の建築が誕生しています。
ここフランクフルトにも、2015年に竣工したばかりのプラスエネルギーの集合住宅があります。
場所は中央駅近く、マイン川沿いのWesthafen(ヴェストハーフェン)地区
ご覧ください。
この細長さ!
では、エネルギーをどうやって生み出すのか。
答えは、天井と壁一面に貼られた太陽光パネルによる発電。
パネルの数は天井で1000枚、壁面が330枚。
日照時間や角度など綿密に計算されつくした結果、このように細長い形状に。
間近で見ると、確かに太陽光パネルがぎっしりと。
窓も配置されているのでそれほど圧迫感はありませんが、なかなかの圧巻です。
電力は日中の家庭内での電力として優先的に消費され、超過分はバッテリーに蓄えられて夜間に使用される仕組み。
マンションのグランドフロア部分には自家用車の駐車スペースと電源が設けられ、充電ができるようになっています。
しかし、全長150メートルに対し、奥行きは8メートルとはなんとも細長い。
テラス部分も下から仰ぎ見ると鋭角に尖っていて、これも効率的な発電を叶えるための設計。
8階立て74戸のマンションなので、かなりのエネルギー消費が予測されるわけですが、実際どれだけ賄えているのか気になるところです。
さて、Westhafen地区は最新のドイツ建築の進展がうかがえるスポットがたくさん。
アルミホイルの芯(!)のような全面三角形のガラスで覆われたWesthafen Tower。
対岸には、プライベートヨットを停泊できる最新建築のマンション群。
川沿いのマンションは人気が高く、空室になってもすぐ売却されるそうです。
建築に興味がある方には是非訪れてほしいスポットです♡




