「キャンディマン」ちょっとネタバレだけど核心は内緒です。恐いというより考えさせられます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「キャンディマン」を観てきました。

 

ストーリーは、

シカゴの公営住宅「カブリーニ=グリーン」地区には、「鏡に向かって5回その名を唱えると、右手が鋭利なかぎ爪になった殺人鬼に体を切り裂かれる」という都市伝説があった。老朽化した公営住宅が取り壊されてから10年後、恋人とともに町の高級コンドミニアムに引っ越してきたビジュアルアーティストのアンソニーは、創作活動の一環としてキャンディマンの謎を探っていた。やがて公営住宅の元住人だという老人と出会ったアンソニーは、都市伝説の裏に隠された悲惨な物語を聞かされる。

というお話です。

 


 

シカゴに現存した公営住宅「カブリーニ=グリーン」地区界隈では、鏡に向かって5回その名を唱えると、蜂の大群を従えた殺人鬼が現れ、”右手の営利なフックで身体を切り裂かれる。”という怪談めいた都市伝説が語り継がれていた。

 

老朽化した最後のタワーが取り壊されてから10年後の現代、恋人と共に新設された高級コンドミニアムに引っ越してきたヴィジュアルアーティストのアンソニーは、創作活動の一環としてキャンディマンの謎を探求していたところ、公営住宅の元住人だという老人から、その都市伝説の裏に隠された悲惨な物語を聞かされる。アンソニーは、恐ろしくも複雑な過去への扉を開いてしまったのだ。

 

 

以前に、やはりキャンディマンの調査をしていた、大学教授のヘレンは、調査をする内に、突然におかしくなり、連続殺人を起こし、赤ん坊を誘拐した為に住民達に追われ、最後は火の中に飛び込んで焼死をしたらしい。アンソニーは彼女の調査記録を閲覧し、どんどんキャンディマンの謎にハマり込んで行く。そして、キャンディマンの名前を鏡の前で5回唱えてしまい・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

この映画、良くある殺人鬼が襲ってくる映画って思っていたら違いました。エルム街や13日の金曜は、最初の頃は理由があったんだろうけど、続く内に理由なんてどうでも良くて、人殺しが目的になっちゃっているでしょ。でも、このキャンディマンは、人殺しが目的じゃないんです。

 

 

主人公のアンソニーは、アーティストなのですが、最近、あまり良い作品が作れず、白人の画商に随分とプレッシャーをかけられていました。このままでは、折角、名前が売れてきたのに忘れられてしまうと焦り、何か題材は無いかと探し始めます。そんな時に、キャンディマンの話を聞くんです。

 

キャンディマンを調べ始めると、只の殺人鬼という姿ではなく、その昔に、この地であった白人による黒人差別の問題が根底にある事が解ってきます。昔から、何か悪い事があると黒人のせいにされ、何もしていなくても警察に疑われるという事を繰り返してきたこの地域に、沢山の怨念のようなものが溜まり、蜂と姿を変えて、人々を襲い始めているのかなと思いました。

 

 

なので、恐いというよりも、人間の怖さがあからさまになるという事の方が映画の中で大きいような気がしました。今でも、よく、アメリカでは、警察官による黒人への暴行が話題になりますよね。動画が流されると、どう考えてもやり過ぎな暴力を、白人警察官が黒人にやっているんです。こんなにも、差別は失くそうと言っているのに、それが全く守られないという事に驚いてしまいます。

 

話を映画に戻しますが、アンソニーは、段々とキャンディマンの話に魅了されて、毒々しい絵画を描き始めます。アンソニーが、何故こんなにもキャンディマンにこだわってしまうのか、実は、大きな秘密があるのですが、それはネタバレになるので書きません。映画を観てください。そんな風に繋がっていたんだねって解ると、スッキリします。

 

 

アンソニーの絵が話題になり、学生が面白がってキャンディマンの名前を鏡の前で5回唱えてしまったり、犠牲者がどんどん出始めます。その殺され方が怖いんです。だって、鏡の中にキャンディマンの姿が見えているのに、現実にはいないんです。そして、鏡の中で殺されると、現実の人間も殺されてしまうという、何とも恐ろしい怪物でした。

 

アンソニーの恋人・プリアンナは、アンソニーを心配して、彼を追って行くのですが、彼女も巻き込まれて行ってしまいます。恐ろしい怪物のキャンディマンなんだけど、その真実は、悲しい歴史の中に埋もれてしまった黒人の方々の思いなんです。普通のホラーかと思ったら、とても深い映画だったので、ちょっと感動でした。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。とてもよく出来ているし、考えさせられる部分が幾つもあるのですが、やっぱりホラーなので怖いし、残酷なんです。なので、万人の方に受け入れられるかというと、やっぱりちょっと難しいかもしれませんが、ホラーだけだと思って行くと、内容が深いので感動すると思いますよ。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「キャンディマン」