「海洋天堂」 自閉症の子供を持つ親の苦悩と、色々な問題を考えさせられました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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先日、「海洋天堂」を観てきました。クマノミ


ストーリーは、

水族館勤務のシンチョン(ジェット・リー)は、21歳になる自閉症の息子ターフー(ウェン・ジャン)を男手ひとつで大切に育ててきた。ある日シンチョンはガンで余命わずかと診断され、息子の将来を案じて心中を図る。だが、泳ぎの得意なターフーが海面に顔を出したため、シンチョンは息子に一人でも生きていけるよう教育することを決意する。

というお話です。

ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-海5

子供が、もし自閉症などの障害を持って生まれたら、親はどこまで責任を持って、育てていけるんだろうという難しい問題を描いていました。映画は、自分の命の期限を知って、息子と一緒に心中しようと、海に飛び込むところから始まります。これ、親の本音だと思うのですが、自分が死んだ後、息子の事が心配で、死んでも死にきれない、それなら、一緒に死んでしまおうという気持ちに追い詰められてしまうのも、良く解ります。でも、そこから映画は始まります。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-海4

この映画を観に行く前に、ちょうど中国のニュースをやっていて、障害を持つ人を人身売買して、レンガ工場で働かせていたというニュースでした。この映画のように、裕福な家に生まれた子供は良いと思いますが、貧困層の家族の障害者は、荷物以外のなにものでもなく、売り払われて、工場でほとんど賃金など無く、働かされてしまう。それが現実です。確かに、一度覚えさせてしまえば、ロボットのように働いてくれるので、工場は使いやすかったのでしょう。中国は、欲望に対して貪欲で、利用できるものはいくらでも利用する。恐ろしいことです。


この映画の親子は、中間層から上の人達かな。決まった仕事もあり、お金もあり、病気にならなければ、順調だったんだと思うんですけど、命の期限が切られてしまうなんて、本当に惨酷です。でも、期限があると分かったからこそ、息子に一人で生きていけるように、色々教え始める気になったのだと思います。それまでは、甘やかして、洋服を脱がせるのも父親がやっていたんです。過保護過ぎるって・・・。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-海1

親子の周りの人間も、良い人が多くて驚きます。誰もが、息子のターフーの事を大切にしてくれていて、障害者だから関わりたくないというような事は無く、サポートしてくれているんです。それは、もちろん、父親のシンチョンの人柄にもよるものだと思います。でも、現実は、障害者をこれほど周りの人がサポートしてくれることは、珍しいと思います。普通の学校に入れたいと言っても、入れてもらえないという問題も多いですもんね。


映画では、キレイ事で描かれていて、感動作に仕上げられていますが、現実とのギャップが大きすぎて、私は、ちょっと、素直に観れませんでした。この映画ほど上手く行くことは無いし、特に中国では、障害者の人身売買が日常的に行なわれている現状で、どうやって1人で生きて行けるのでしょう。映画として楽しめば良いと言われても、現実を知ってしまうと、簡単に楽しめません。


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日本では、障害者1人いれば、その世話をする人2~3人分くらいの金額は補助で出るらしいので、人身売買なんて話は考えられないけど。でも、その補助金を狙って近づいてくる悪い人も居るらしいから、気をつけてくださいね。そして、一つだけ。家族に障害者がいるからって、色々諦めないでください。犠牲になる必要はありません。やりたい事はやってください。子供の為とか、兄弟の為とか、色々我慢していたら、必ず悔いが残ります。人間の明日なんて、どうなるか判りません。悔いの残らない生き方をしてください。それが、家族の為にもなります。周りに甘えるときは甘えちゃってください。


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なんだか、今回の感想は、ちょっと映画から離れてしまったかも知れないけど、映画を楽しんで、そして、現実も見て欲しいと思ったので、色々、思ったことを書いてみました。障害というのは、産まれついての物もあれば、事故や病気でなる事もあります。いつ、自分の身に起こるかも知れません。私もそうですが、もう少し、障害というものに対しての理解を深めて、一緒に暮らしていける社会を作って行けたらなって思う今日この頃です。カメ


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