戸隠は子どもの頃から来ていた場所なのに、どちらかというと隠してきた。
プロスノーボーダーとして私の雪山の居場所は常にあったし、ここは家族でいる場所だったからプライベート過ぎて明かしたくなかった。
たまに来てもあんまり滑らなかったり。
アメリカに移住してから、戸隠をベースにするようになった。
私自身の雪山の家はもうなかったし、子供もいるから日本に帰ってきてるなら両親と過ごしたくて。
そして何より私がこの山の素晴らしさを再発見してしまったから。
今やブログやフェイスブック、SNSでアメリカ在住でも自分の想いや動きを直接伝えられる世の中になった。
私は私の好きなものを好きなように表現できるようになり、照れやカッコつけも減り、自分を育ててくれた環境を伝えたいなと思うようになった。
そして今。
アメリカから一年に一度帰ってくるだけなのに
ここで滑ってたらいろんな人に声をかけてもらえるようになった。
「上田ユキエさんですよね?」
「いつもブログ見てます!」
など。
照れくさいけど嬉しい。
今シーズン再会した伊藤さん。
朝イチリフトに並んでたら声かけてくれた。
「上田ユキエさんですよね?」
「はい!」
実は2年前にリフトで私と一緒に乗ったという。
「海外はどこがオススメですか?って聞いたら、カナダのウィスラーって教えてくれたんですよ。で、その後ウィスラーに滑りに行ってきました!」って。
アメリカに住んでたら知らない人と隣にいて話さない方が変。居心地わるい。
リフトでお友達同士で乗ってたら無理に話しかけないけど、相手が一人なら挨拶くらいしたくなる。
その時の数分の会話から、カナダに行って楽しい世界を見たと喜んでくれた人がいると知ってとても嬉しくなった。
そしてその朝は戸隠の最高のパウダーを数本ご一緒した。
そんな伊藤さんチームと今日は再再会。
また、今朝声をかけてくれた女性は子供ふたりとご主人といらしていて、リフト乗り場で待ち構えてくれてた。
朝一度私を見かけて声をかけられず、待ち構えてくれていたらしい(笑)
アメリカで病気と闘ってたことも見てくれていて、なんだか私も他人と感じられなかった。
感動してくれて涙ぐんでくれてるのにお互いの息子たちが「ママー!ママ早くー!」ってギャーギャー言ってて(笑)それさえも自然すぎて。
いつの間にこんな自然体でいられるようになったんだろう。
私にもカッコつけ過ぎてた若かりし頃もあったはずだ。
人との出会いは一期一会。
こんな出会いのある戸隠が、今は私の日本の故郷になっています。