そう、あれは、(また)少しさかのぼって、7月の末頃のこと。この日は、仕事がお休みで、夕方頃には、(疲れて)パソコンの前でウトウトとしていた。すると、電話があり、見ると、クオリアートの担当者(仮にSさんとしておきましょう)からだった。(あー、(イギリス展覧会の)契約書とか届きましたかって確認かなぁ~)なんて思って半分寝ぼけて電話に出ると、いつもの元気な声で、最初に「作品の進み具合はいかがですか?」なんて聞かれた。それで、素直に、(私)「今、ダンボールを作品サイズに切って、それに写真を貼り付けて検討してます」なんて、正直に話す(笑)。そして、(Sさん)「とても楽しみにしてるんですよ」なんて言ってくれる。その後、いきなり、「夏目漱石はお好きですか?」との質問。「えっ、嫌いじゃないですけど…」と素直に(私)反応。すると、「ファンと言うわけでもないってことですね」と、ちょっと笑われる。(えっ、だって、「文豪」じゃん?ファンとかそう言うレベルでもない気もする…)なんて、少し戸惑いながら、(私)考える…。すると、続けて、「夏目漱石と言えば?」と聞かれた。(えっ?!:戸惑う)「えっと、吾輩は猫、心、三四郎?とか??」って思いつくままに答えた。わたしはこの質問の意図が分からずにいた。すると、「難しい方からきましたね」みたいな返答。そして、「坊ちゃん、とかは?」ときた。それで、「あー、坊ちゃんは割と最近、朗読CDを聞きました」なんて、(割と最近でもないのに)答える(笑)。でも、(ほっ、ここでやっと接点ができた)(爆)そして、「日本での展覧会はいががですか?」と本題に入ってくる。話を聞くと、来年、夏目漱石没後100周年とかで、愛媛県の松山で、大きなイベントとか?あるらしい。その一環として?クオリアートでも、大きな展覧会の企画をしているというのだ。要は、その話に乗りませんか?というお誘いの電話だったわけです(^^)。てっきり、イギリス展覧会の話だとばかり思っていた私は、急な突然の話に一瞬戸惑い、寝ぼけていた頭を一生懸命働かせながら話を聞いてゆきます。なんでも、「夏目漱石とのコラボ」みたいな感じで、漱石の作品と一緒に、現代アーティストの作品を展示する企画なのだとか(概要です)。そして、この展覧会の話にはおまけのオプションがあり、まず1点目は、今回、「漱石の版権」が手に入ったので、展覧会出品作品を表紙に使った本を、海外のブックアートフェアに展示します、とのこと。そして、2点目は、(日本郵便との取引があるので)展示する作品が切手になる、とのお話。(えつ、いきなり切手?)と、私は一気に想像が広がった。展覧会ももちろん惹かれるが、自分の写真コラージュ作品が、アーティスティックなカッコいいデザインの切手になり、販売される?ような光景が浮かんだのだ(笑)。そして、(なんか、オプションの方がスゴクない?!)と半信半疑な面持ちで、話を終え、詳しい契約書を待つことにした。

何日か待って、詳しい案内と契約書が届いた。ドキドキしながら、中を開けると、確かに『漱石と日本の21世紀美術展』とある。でも、中身を読んでいくと「なんか違う」気がしてきた。電話のお話では、夏目漱石は、「書」にも造詣が深く、書に関する作家さんの参加が一番多いらしいとのお話だった。だから、(私の写真は逆に)「目立つと思います」とのお話。そして、私のような写真を扱う作家さんは少ない?ので、逆に貴重なんです、みたいな話もあった。私の写真を気に入ってくれて、まだイギリスも終えていないというのに、この短期間で、また国内の展覧会の話をもってきてくれたのは(正直)嬉しい。でも、資料を読んでいくと、(なんか、私、「場違い」か?!)みたいに思えてきたのだ。それに、「2つは作れない」ので、「イギリス行きのものと同じもの」を使ってもらうことで許可を得ていた。私自身としても、(これだけ時間をかけて)「イギリス展示だけでは少しもったいない気もする…」みたいに思っていたところがあったので、今回の国内展示の話は、ちょうどよいタイミングのようにも思えたのだ。でも、「ちょっと違う」感がぬぐえない…。それに、色々と考えていくと、「もし、書の作家さんだったら、この漱石氏とのコラボのために、『新しい作品』とか(想像を膨らませて)書いたりするんじゃないか?」とか考え出すと、もういけない。なんだか、自分が、「場違いの展覧会に、間に合わせの作品で出品しようとした」のが、なんだか恥ずかしくなってきて、そして、「そうだよ、せっかくの文豪、漱石氏とのコラボなら、やっぱり、漱石さんにちなんだものとか、ちなんだ場所とか撮ったりしたものの方がふさわしいんじゃない?」とか思いだすと、もういけない。それに、今回の出品料は、漱石氏の版権が絡むので金額が少しお高く、数十万はする予定となっていた。それもあり、色々考えた末、「この話はお断りする」ことに(一度)決めた。

そうして、再びの確認の電話を待つが、待てど暮せど電話はかかってこない…。こちらからかけるという手も(もちろん)あったが、「断りの電話」だ。気乗りするはずもない…。ということで、半ば「放置」していた。そして、電話がかかってこないのを、半ば(自分に都合よく)「そうだよ、きっと私の反応を見て、ダメだと思ったんだ」と自分流に解釈してみたりする(^^;)。

そうして、約1か月がたった。そうして、半分、忘れかけた8月末頃、(また)いきなり電話がかかってきた。この日は、ちょうど仕事から帰ってきたところで、わたし的には(なんだろ、また)みたいな気分だ(笑)。そうしたら、「あの…、愛媛の展覧会の資料は届いていますか?…」の話にはじまり、「あー、あの、あれは断ろうかと思って…」なんて、少しきまり悪そうに(私)話をする。すると「どうしでですか?」みたいな質問がきて、率直に考えた内容の話をする。すると、「あー、ちょっと(主旨が)違うんですね~」みたいな感じで、私が資料から抱いた、漱石氏とのコラボ、みたいなイメージではなく、「漱石と現代作家」の展覧会です、みたいな話だった。それに、海外のブックアートフェアでは、「書の表紙の本」は(あまり興味を惹かれず)「売れない」のだとか。海外の方が、日本の漢字の意味を深く理解されるわけでもなく(すみません、誤解なきように。概略です)、その点では、「先生の写真はピッタリです!」と言って下さる(そう、Sさんは、先生と呼んで下さるんですね)。

それで、話を聞いていくと、また資料を読んだ時の印象とは違って、「あまり悪くない」感じだ。切手に関しても、いきなり「販売という話はない」けど、展覧会の中で、「ワークショップ」などを開いて、そこで子どもたちに書いてもらう手紙に使われる予定とのこと。そして、この「オプション」は、すべての展覧会参加者につくものではない、ということも付け加えられた…。それを聞いて、(そうだよね、参加者全部の切手なんて、すごい(整理とか)大変そうだし…)みたいに少し正常値に頭が戻って、もうちょっと「現実的に」見られるようになったりする。そもそも、「切手になる」と聞いた時点で、「スゴイアーティスティックなカッコいいデザインで」80円切手なんぞになって販売される様子を描いたのは、「わたしの(勝手な)思い込み」だった(爆)。まー、(一応)「想像力(妄想力?)豊か」ってことで、笑ってゆるして下さい(笑)(へへ)。それに、もっと冷静に考えると、いきなり(無名なのに)切手になんかなって販売されるわけないじゃん(爆)(^^;;)。ちなみに、本の方は、「文庫本」サイズで、海外のアートブックフェアで、「チャリティーで」販売されるらしいです。なので、わたしの懐にお金が入ってくるわけではないんですが、「出版社なども多く」来店される予定とか。なにか、「新しい出会いの予感?」とかも(もしかしたら)あるかも?!(また想像豊かな:笑)「宣伝にはなる」ので、「期待」してみましょう!それに、やっぱり、(どんな形であれ)「本になるのは(格別に)嬉しい!」それは、いつでも変わりません(わたしの場合^^*)。

ということで、「話、受けることにしました!」(笑)(クオリアート作成の)資料に関しては、「うちの資料は淡白だって言われます」みたいな話もあった(^^;)。そして、契約書は、もう「締め切り間近」なので、明日にでも送って欲しい、とのお話(これがギリギリの確認電話だったようです)。それで、急いで(当日)記入し、翌日の朝、ポストに投函した次第。と、(最後決定は)あわただしかった(笑)。
でも、まー、これで、「日本のみなさまにも」作品のおひろめができます!

今度は、「日本国内」なのでね、「お近くの方は」ぜひ、足をお運びください!と、(一応)書けるな(^^*)。でも、四国、なのでね、「みんながみんな行けるとは限りません(会期も短いし)」。ということで、「行けないけど、どんなの作ったのかみたい!(一応)」と思われた方は、やっぱり、「しばし展覧会が終わるまでお待ちを」ということで。やっぱり、イギリス展示が終わったら、ブログかMyHPで報告しましょう!(予定です)

ということで、まだ先ですが「展覧会情報」載せておきましょうか!(^^)/

<展覧会情報>
夏目漱石没後100周年記念
『漱石と日本の21世紀美術展』
会期:2016年3月3日(木)~3月6日(日)
会場:愛媛県美術館
※「悠希(yukidigis)」で出展予定です(円周魚眼写真のコラージュのような作品予定)

同じ時期に、エジプト展(ファラオ展?)とかがあるらしいです。なので、ファラオ展に行かれる方はご一緒にお楽しみを(ぜひ)。この展覧会で、どんな反応があるのか、とか、どのくらいの人が(実際に)見て下さるのか?とか、「全然わかりません(想像の範疇外)」なのですが、よろしければ(ご来場の上)お楽しみを(^^*)。

よろしくお願いします♪(礼)

はい、では、(長くなってしまいましたが)今日のところは、このくらいで。
順次、何かあれば、(ブログで)報告してゆきましょう~(^^)。

それでは、また。

あっ、あと、「少しだけ補足」しておきましょう。そう、クオリアートのSさんは、わたしのこと「先生」って呼んで下さるんですね。そう(いきなり)呼ばれても、わたしが(面白がって)「舞い上がらずにいられる」のは、昔(学生の頃に)(私)「パソコンのインストラクター」をしていた経験があり、「先生と呼ばれたことがある」、というのが大きいと思います。その時、「先生って、ラベルみたいなものだな」って感じたことがあって、それがいきなり「先生と呼ばれても舞い上がらずにいられる」大きな要因だと思っています。もちろん、先生って呼ばれても、ほんとうに「心底(心の中で)先生と思われている」ような状態は「マレ」だと思われるし、何より、(私は)いつでも「ニュートラル」で「自分らしく」いたくて、それで、平気(大丈夫)なのだと思います。念の為、ね、補足を(誤解なきように)(^^)。

それでは、また。

P.S
新しく「展覧会関連情報」の(ブログ)テーマを作りました!イギリスの展覧会情報もこちらに載せていく予定ですので(既存のものは移動します)、よろしくお願いします(^^)/。