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【英語で学ぶ“女性学” Women’s Studies】(オンライン講座)
1970年代のアメリカを中心としたフェミニスト運動。その美術史上における重要な意義を、アートファンの皆様なら勿論ご存じかと思います。過去に埋没していた女性画家達の作品の価値が再認識され脚光を浴び、今彼女達の才能に対し正当な評価がなされる様になったのは、フェミニズム運動がアート界にも多大な影響を与えたからでした。
例えば、20世紀半ばのスーパースター ジャクソン・ポロックの妻であり、敏腕マネージャーであった、リー・クラスナー。リー自身も画家でしたが、作品へのサインを、フルネームではなくイニシャルのみの“L.K.”とすることで、ジェンダーを明らかにしませんでした。白人男性中心のアート界において女性であること、そして、ポロックという有名画家の妻であるということを曖昧にしたのです。フェミニスト運動は、その様な立場にいたリーに、才能あふれる“一人の画家”としてスポットライトを当てる機会となりました。
この様に美術史上においても最重要事項の一角を占めるアメリカでのフェミニズム運動ですが、残念ながら日本では体系的に学ぶ機会がなかなか見つかりません。ここで朗報です。「女性学(Women’s Studies)」がご専門のブリジット・フェルナンデス先生の講座の開講が決定しました!2回に渡るレクチャーです。
日本では大変に希少な、グローバルスタンダード視点でのフェミニズム講座です。女性学をベースにしたブリジット先生の分かりやすい解説をご期待ください。
今、日本の女性たちも少しずつですが、各界において声を上げ始めています。今年初めに発表された男女格差の順位が世界156か国中120位だったことはまだ記憶に新しい所かと思います。まだまだ私たち女性も男性も海外を見て参考にする、あるいは議論するべきことは山積みなのだと感じています。この機会に、ご一緒に学びを深め考え語り合いましょう。この講座で手にした新たな視点は、アート鑑賞スキルのアップデートにもつながりますよ。
下記テーマ(1)が基本となりますので、セットでのご受講を勧めます。女性はもちろん、男性の方にもご参加いただけると嬉しいです。
(英語講座・Zoom使用)(どなたでもご参加いただけます!)
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●Dates:
*Japan : Nov 13 (Sat) 10:00 – 11:30 am (US CST : Nov 12 (Fri) 7:00 – 8:30 pm)
(1)Waves of Feminism in the United States(アメリカに於けるフェミニズム・基礎編)
*Japan : Nov 20 (Sat) 10:00 – 11:30 am (US CST : Nov 19 (Fri) 7:00 – 8:30 pm)
(2)Transnational Feminism(トランスナショナル・フェミニズム)
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●Fees:
(1)と(2)受講=6600円(税込) / 1つのみ受講=3300円(税込)
<事前振込制。海外からの参加者はPaypalでお支払下さい。>
<振込み後の返金出来ません。欠席時ビデオ送信アリ。>
<US residents pay $30 per class/ $60 for both. Non-refundable. Request video.>
●Reservation:
こちらから:http://www.artalliance.jp/contact/ (Art Alliance contact page)
●Language: English
●Zoom link to be sent 3 days before class.
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■講座内容 Outline:
(1)Waves of Feminism in the United States: This course will outline the history of the feminist movement in the United States through different historical time frames called waves. During these waves, women have advocated for the right to vote, pushed for reproductive rights, fought against objectification, focused on Civil Rights, highlighted the importance of inclusion and diversity, discussed sexual harassment and workplace inequity, and encouraged solidarity among women.
アメリカに於けるフェミニズム
このコースでは、アメリカにおけるフェミニズム運動(女性の能力や役割の発展のために起こった運動で、女性の社会的、政治的、経済的権利を男性と同等にすることを目指すもの)の歴史を時間軸を追いながら概説していきます。これまでに起こった第一波から第四波の活動の中で女性たちは次のような取り組みをしてきました。
選挙権や、出産の権利の主張や、女性が性的対象ではなく客観的に捉えられるように、また公民権の観点から人種による差別解消だけでなく、各々の経験や能力、考え方が認められ活かされる(インクルージョン)ように、そして人種や国籍、性別、性格、学歴などに於いて多様な人材の活用(ダイバーシティ)の重要性を説き、セクシャル・ハラスメントや職場の不公平を明らかにし議論してきました。女性たちの連帯を促してきたこういった活動を知ることで、アメリカのフェミニズムについて理解を深めます。
(2)Transnational Feminism: Transnational feminism analyzes the global women’s movement by examining how globalization and capitalism affect women across nations, races, genders, classes, and sexualities. This course will define transnational feminism and highlight global activists who are making social change within their communities.
トランスナショナル・フェミニズム
トランスナショナル・フェミニズムとは、グローバリゼーションと資本主義が国や人種、性別、階級、セクシュアリティを超えて女性にどのような影響を与えるかの検証を通して、世界の女性たちの活動を分析するものです。このコースでは、トランスナショナル・フェミニズムについての理解を深め、世界各地で社会的変化を起こしている活動家たちも取り上げていきます。
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講師プロフィール:
ブリジット・フェルナンデス / 人類学者。写真家、ESL講師。現在ヒューストン大学で女性学を教えています。
Bridget Fernandes is an anthropologist, photographer, and ESL teacher who currently teaches Women’s Studies at the University of Houston in Houston, Texas.
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ご参加の方はご連絡下さい。
→ http://www.artalliance.jp/contact/
どうぞよろしくお願いいたします。
宮本由紀
記事はこちらに掲載されています;
●English Journal 2019年11月号 「教養のための美術英語」:
See you on Zoom!