まず、この話しをご覧ください。
何度か紹介させていただいている東井義男さんの本に書かれていた話です。
ちなみに東井さんは、当時、ある小学校の校長先生で、最後の学校というのは、最後に赴任した学校だったという意味のようです。
私の最後の学校に、けんかしてしようのない珍坂君というのがございました。ある日もけんかをしました。担任の宮本先生が呼びました。
珍坂君は、ビクビクしながら先生のところに行ったのですが、
さて、この担任の先生、珍坂君になんと言ったと思いますか?
先生は、珍坂君のけんかをするという困った行動をよく観察していたのでしょう。
その行動の中にも肯定的な側面を見つけたようです。
そしてこう言ったのです。
「お前は、けんかしてしょうがない奴と思っとったんけどな、気がついてみたら、お前は、自分より弱い奴とは一ぺんもけんかしたことはないな、おまえのけんかは見どころがあるぞ。」
そう言われて、ハッとした珍坂君。
それ以来、彼は変わったといいます。
どう変わったかというと・・・
先生は学校内を巡回して子どもたちの行動を見て回っていたようですが、珍坂君の変化に気付かれたようで次のように話しておられます。
私は毎朝、学校内をグルグル回っていましたが、小さい子の世話を一所懸命にやる珍坂君に変わってくれましたねえ。
いかがでしょう?
人は自分の行動の肯定的な側面に気付かせてもらうことで、それを建設的な行動に変化させることもできるんだなと思いました。
それが、けんかばかりしていた子供であったとしても!
このように子どもの行動の肯定的な側面を敢えて見るということは、ほんと大切なことなんだなと思わされる事例でした。
ところで、この話しは、東井先生の本に書かれていたのですが、先生の講演を本にまとめたもの。
読んでいて心が温かくなるとともに、子供と接する上で大切なことを気付かせてくれます。
もし、機会がありましたが、目を通してみられると参考になると思いますよ。