こういう本に出会えた。
大山泰弘さんというチョークを作る会社の社長さんが(1932-2019)書いた。
大山さんの会社は従業員の70%が知的障害者なのだそうだ。しかし最初からそうだったのではなく、また大山さん自身もそういったことに無関心だったという。ところが養護学校の先生の強いお願いということで 2人の知的障害者の少女を短期間の体験実習のようにうけいれることになった。養護学校の先生は、最初は養護学校を卒業する少女たちの就職先を探しに来たのだったが、大山さんはそれは無理と断った。しかし先生は、この少女たちが、養護学校を卒業しても就職できなければ、福祉施設に入ることになり、一生仕事をして人の役に立つということを経験することがないまま生きていくことになるから、せめて仕事をするという経験だけでもさせてあげてほしいと頼み込んだ。
期間が終わった時、おどろいたことに社員の中から彼女らを雇ってあげてほしいという声があがる。二人の少女の仕事ぶりはとてもまじめで、不器用に、けれども一生懸命仕事をし、そして喜んでいる。その姿に打たれたのである。それが始まりだったという。
そこから長い年月のいろいろなことがあるのだけれど、
いつしか大山さんは、他人がすこしでも幸せであるために自分の力をつかっていくということが
実は人間の幸せの本質なのだということを、従業員全員とともに心底から見出していく。
著書 ”利他のすすめ”から 抜き出す
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今の若者はかわいそうだと思うことがあります
まだ社会に出て働いた経験もないうちから
「個性を大切にしなさい」
「個性的でありなさい」
と言われて育つからです。それで「自分探し」をしてみたり、ことさら人と違ったことをしてみたりする。
そんな姿が、ときに苦しげに見えることがあります。
---中略
神様は個性をつくったのではありません
人の役に立つことを幸せだと思う人間を作ったのです。
そしてその幸せを追い求めて努力すれば、おのずから「個性」は生み出されるのです。
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