そんなこんなで無事にランチをし、お店を出た。
産みの母がさくらに絵本をプレゼントしたいとの事で遠慮しつつもお言葉に甘えた。
大きな本屋さんだったので色んな絵本があった。
りょうこちゃんやこうちゃんは色々見ていた。
旦那さんもりょうこちゃん達と一緒に見ていた。
私はある絵本を探した。
産みの母が寝る前によく読んでくれていたウサギの絵本。
30年近く前の絵本だったけど今もあるのは知っていた。
その絵本を見付けた時、ちょうど産みの母が側にいた。
「お母さん、これ覚えてる?寝る前に読んでくれていた絵本。」
「あーよく覚えてるわ。よく読んであげてたわよね。ゆかりちゃんの好きな絵本だったね。」
と目尻を下げてその絵本の表紙を見ていた。
ほっとしたし、嬉しかった。
覚えてくれていた事に。
やっぱりちゃんと子供として愛してくれていたんだな。
そのやりとりだけで私は満足だった。
さくらのプレゼントの絵本はなんと4冊も買ってくれた。
産みの母家族全員それぞれオススメとさくらの気に入り具合で。
「こんなにありがとうございます。すいません。」
と旦那さんに頭を下げた。
「全然。たくさん読んでくれたら嬉しいな。」
と優しいお言葉をいただいたが、さくらは恥ずかしがってお礼がぶっきらぼうだった。