読書の秋 私が好きな絵本 | あたし・主婦の頭の中

読書の秋 私が好きな絵本

恥ずかしい話、私は20代半ばぐらいまで、

絵本は子供が読む本だと思っていた。


だから、25歳のクリスマスの日。

アメリカの友人が私に一冊の絵本をプレゼントしてくれた時、

正直いって、こう思ったの。


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その後、私は友人と別れ、

ホテルの部屋、ベッドに寝転がっていたら・・・

さっきもらった絵本が目にとまったの。


あたし・主婦の頭の中


手に取って、開いてみると、

白黒のすごく単純な絵とシンプルな文章。

「まったく、どうしてこんな子供じみた絵本を私に?」

そう思いながらも、何気なく読み進んでいき・・・


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最後のページを捲った時には、

どうしたというの? 私ったら!!

号泣していた。


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それは本当に

白黒のすごく単純な絵とシンプルな文章ではあったけど、

そこから驚くほどのメッセージが伝わってきた。



私は当時、客室乗務員をしてたのだけど、

先輩のイジメとか仕事のストレスで、

「辞めたい!辞めたい!」が口癖で・・・

でも、辞めたところで、一体何ができるのか?

とても思い悩んでいる時期だった。


そして、今では信じられないことだけど、

女性がクリスマスケーキに例えられていた時代。

25歳といったら、叩き売り状態?

それにすっかり振り回され、気ばかり焦るんだけど、

3年付き合っている彼氏とは、まだ結婚の話も出てはなかった。


いつも自分に足りない何かを探し続けていた。

私には何が必要? 私には何が足りない?

私には何が合うの? 私には・・・私には・・・?


その絵本の主人公は、まさにその時の私そのものだった。



フライトを翌朝に控えた深夜のホテル。

ひとしきり泣いた後、

私の体の奥からすごいエネルギーがこみ上げてきた。


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そう思い立った私は、早速、ホテルの机に向かったわ。

その絵本を翻訳しようと思ったのだ。


とてもシンプルな英語、

でも、シンプル過ぎて、それがかえって難しかった。


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何度も何度も書き直して・・・そして!!


あたし・主婦の頭の中


そうよ! 日本に帰ったら、

すぐにこの絵本とこの翻訳を持って、出版社にコンタクトを取るのよ!

そうして、言うの。


あたし・主婦の頭の中


ほとんど寝ていないはずなのに、すごい達成感で、

その日の機内では、いつも以上にテキパキと働けた。


仕事中もずっと考えていたわ。

そう、この絵本を見たら・・・

出版社の人は涙を流しながら、こう言うわ。


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そんなことを想像しては、ワクワクしてた。


そして、帰国後。

出版社に持って行く前に、本屋に勤める友人に見せて

感想を聞かせてもらったらどうかしら?

そう思った私は・・・


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待ち合わせの喫茶店で、

アイディアを盗まれたら危険だわという思いから、

人目を気にして彼女にそっと呟いた。


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そう言われ、絵本を彼女に差し出すと・・・


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表紙を見た途端、彼女の表情が変わったわ。


あたし・主婦の頭の中


彼女がぽそりと呟いた・・・。

えっ? なによ? なんて?


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えーーーーー!!!


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ホテルでのあの時間はなんだったのーーー!!


もう途中でわかった方もいると思うけど・・・

その本はこれ↓


新装 ぼくを探しに/シェル・シルヴァスタイン
¥1,575
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そして、すぐに続編もあることを知る。こちらもすごくいい!

続ぼくを探しに  ビッグ・オーとの出会い/シェル・シルヴァスタイン
¥1,575
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何かが足りない
それでぼくは楽しくない
足りないかけらを探しに行く
ころがりながらぼくは歌う
ぼくはかけらを探してる、足りないかけらを探してる、
ラッタッタ さあ行くぞ、足りないかけらを……

まんまるではないパックマンみたいなぼくは、

その足りない部分を探しに旅に出る。

その欠けた部分にぴったりなかけらを見つけに。

そして、ついに見つけるんです、かけらを。

でも・・・そこでぼくは気づく・・・。何を?


25歳の私が、

絵本は子供のためだけのものじゃないんだと

気付かされた本。


でもね、

とても単純な絵本なので、下の子もこの本が大好きなの。

音が面白いのか・・・読んであげると声を出して笑ったりする。

あたし・主婦の頭の中


私はこの絵本を読み聞かせながら、

今は絵と音だけで楽しんでいる次女だけど、

いつか次女もこの絵本に隠されたメッセージに

気がつく日が来るのかな? と思っているの・・・。


そうして、もう1冊。

先日、幼稚園での保護者会の時。

園長先生が、子育ての話をされ・・・


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そうして、1冊の本を紹介してくださった。


あたし・主婦の頭の中

だいじょうぶ だいじょうぶ (ちいさな絵童話りとる)/いとう ひろし
¥1,050
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そうして、読み始めた。


ぼくが今よりもずっと赤ちゃんに近く、

おじいちゃんが今よりずっと元気だったころ、

ぼくとおじいちゃんは毎日のように散歩を楽しんでいました。


僕が少し大きくなって、困ったことや怖いことに出会うたび、

おじいちゃんはぼくの手を握り、おまじないのようにつぶやくのでした。

「だいじょうぶ だいじょうぶ。」


早くも涙がこみ上げてきた。


あたし・主婦の頭の中


1人でいたら、思い切り泣いていたと思う。

でも、ここには他にも大勢のママたちがいて、

私1人だけ泣いているのも・・・

それもまだ物語は始まったばかりなのに・・・。


私は涙をググッと堪えながら、

周りのママたちを様子を見回した。


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すると、右前方に座っていたメガネをかけたママが、

レンズの中にそっと手を入れ・・・涙をぬぐっていた。


あたし・主婦の頭の中


その姿を見た途端、ついに堪えきれなくなって・・・

気がつけば号泣。


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嗚咽さえしていた私。


「だいじょうぶ だいじょうぶ」という言葉が心に響いたの。


なんだかね、

おじいちゃんがぼくにかける

「だいじょうぶ だいじょうぶ」という言葉がね、

子育てに行き詰ったり、必死になっている私たち親にも、

「だいじょうぶ だいじょうぶ」って励ましてくれているように

私にはそう思えてならなかったのですよ・・・。


この本は読み聞かせがまだできそうにないの。

どうしても最後は涙で声が詰まってしまいそうで・・・。

しばらくは、私のための絵本にしようと思ってます。




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