おしんスッチー  フライトの友 | あたし・主婦の頭の中

おしんスッチー  フライトの友

あれはまだ結婚前のこと。

私たち夫婦が初々しいアベック(死語?)だった頃の話・・・。





フライトが休みの日に、鴨川シーワールドに一緒に行ったの。

そう・・・まだ海ホタルなんてない時代・・・

木更津でフェリー降りて・・・。もちろん、BGMはShow Meよ!





楽しいかったわ~。

帰りにね、お土産屋さんを見ていたら、彼(現夫)が言ったの。





「えっ? ぬいぐるみかよ!!」なんて思わなかったわ!

単純に嬉しかった。これが愛なのね・・・。

だって、考えてもみて、もし今松潤が

「ぬいぐるみを買ってあげるね」と言ってくれたとしたらって・・・。

まぁ私たち夫婦にもそんな時代があったってことね。

彼はぬいぐるみの棚の前で迷っていたわ・・・。

そして、言った。





いやーん。私に似ているって? 何かしら?





「はい、これ」彼が差し出したぬいぐるみを見て・・・





・・・・・・・・・・・・・・・・





マ、マンボウ?





マンボウに似ていると言われ喜ぶ20代前半の女性、手をあげて!!

ほら、いない! いないわよ!

私だってそうだった。複雑な心境・・・。

でも、彼を傷つけたら可哀想だから、精一杯喜んでみせたわ! 

私は女優・・・。





家まで車で送ってもらって・・・





バタンと家のドアを閉めた途端・・・





演技は終わりよ。





ったく、気にいらねー!! あばよ!





それから、お風呂に入って、

明日のフライトの準備をしていたの・・・。





でもね・・・





錯覚かしら・・・と後ろを振り向いたその時。





何か感じる視線・・・。近づいてみると・・・





さっき私に放り投げられたマンボウが、

切なげな瞳で私を見上げていたのだ・・・。





そう、マンボウは確かに「お姉ちゃん」と言った。

いや、少なくとも私にはそう聞こえた。

それを見たらね、





もー胸が締め付けられて・・・

私はマンボウをギュッと抱きしめていたわ。





そして、翌日、フライトに連れて行ったわ。





その日のフライトは忙しく・・・そんな1日も終わり、

夜は名古屋のホテルに泊まった。

疲れた私は、外で食事をする気力もなく、

近くのコンビニでお弁当を買って食べ、早々に寝た。

うん、妹と肩を並べて・・・。





翌朝、目を覚ました私は、





傍らにある目覚まし時計を見て、大パニック!!

なんと! ピックアップバスの集合時間、10分前じゃなの!!





人間・・・パニくると無駄な動きをしてしまうって知ってる?

私は意味もなくベッドの上、トランポリン状態、

20回は跳ねていたと思う・・・。





パニックが収まり、跳ねていたって状況は変わらないと

悟った私は、急いで支度を始めた。

とりあえず化粧をして、荷物を詰めて・・・。

部屋のテーブルの上には、昨日のコンビニ弁当が食べたまんま・・・。

床には新聞が散乱していた・・・。





でも、気にしちゃいられない! 

だって! 遅れるわけには行かないのよ!





なんとか無事にバスに間に合い、何事もなかったようにフライトが始まった。

いい加減なメークが気になりつつも、

でも、最高の笑顔でサービスに努めたわ。

と、その時だった!





もしかして・・・私、妹を置き去りにしてきたんじゃ・・・?





フライト中、妹のことが気になって、仕事どころじゃない!

早く次の滞在先のホテルに行って、妹の安否を確認したい!

そのことで頭が一杯だった。


ホテルに着いて急いで電話に電話! と思った時!

思い出した・・・あの部屋の惨状を。





あの部屋のどこかに妹はいるはず・・・。

でも・・・あの部屋に泊まったのが私だとバレるのは恥ずかしい。

そして、もっと恥ずかしいのが、20代のうら若き女性が

マンボウのぬいぐるみを連れて歩いていたことも・・・。

まだミッキーならいい、いやキティちゃんでもよかった。

よりによって何で!!






マンボウ?


追記:

長くなったし、ここでやめようかと思ったけど、まだ続きがある。

その後の話。やはり妹を置き去りにはできないので、勇気を持って電話した。

そして、調べて下さった。





魚? 魚だって?

私は妹の名誉のために言ったわ!





それ、魚じゃなくて、


マンボウですから!!


数日後、ホテルの親切な対応で、妹は郵便で単身上京、

私の元に帰ってきた。


それ以来、ホテルの部屋を出るときはいつもピカピカに掃除して

出るようにしている。何があってもいいように・・・。

でも、そのせいでホテルに泊まっている時、自宅にいる以上に気を使う・・・。



←忘れ物のないようにね

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前回の記事にもたくさんのコメントをどうもありがとうございました。お陰で「くろんぼ大会」が私も妄想でなかったことが証明できました。ありがとうございました。くろんぼ大会と記したことに対してですが、記事を書くにあたり、自分なりではありますが、調べ、ちびくろさんぼも2005年に復刻されたし、決して差別的意味ではなく使われていたこと、そして、今の時代の話ではないことなどを考え、あえて「くろんぼ大会」という昔の名称のまま載せました。

では、今日も最後までお付き合い下さり、ありがとう!